宅建「クーリング・オフ」の要件まとめ
宅建業法37条の2。宅建業者が自ら売主となる宅地建物の売買で、買主が宅建業者でない場合に適用される、いわゆる8種制限のひとつです。判定は次の4要件を順に確認するだけ。すべて満たせば解除でき、1つでも欠ければ解除できません。上の判定ドリルと合わせて使ってください。
1. 4つの要件
| 要件 | 解除できる場合 |
|---|---|
| ① 当事者 | 売主が宅建業者で、買主が業者でない |
| ② 場所 | 事務所等以外で買受けの申込みをした |
| ③ 期間 | 書面で告げられた日から8日以内(未告知なら期間の制限なし) |
| ④ 履行 | 引渡しと代金全額の両方は完了していない |
2. 場所は「申込みをした場所」で判定する
最大のひっかけがここです。契約を締結した場所ではなく、買受けの申込みをした場所で判定します。喫茶店で申し込んで後日事務所で契約した場合、申込みは事務所等以外なので解除できます。
| 事務所等にあたる(解除×) | 事務所等にあたらない(解除○) |
|---|---|
|
・売主業者の事務所 ・土地に定着したモデルルーム(専任の宅建士を設置) ・継続的に業務を行う、土地に定着した案内所 ・買主が申し出た買主の自宅・勤務先 |
・土地に定着していないテント張りの案内所 ・喫茶店 ・ホテルのロビー ・業者が訪問した買主の自宅(買主からの申出がない) |
買主の自宅・勤務先は「買主から申し出たかどうか」で結論が逆になります。業者が売り込みに訪問しただけなら事務所等にはあたりません。
3. 期間は「告げられた日を1日目として8日以内」
- クーリング・オフができる旨とその方法を書面で告げられた日から8日を経過するまで。8日目までは解除でき、9日目以降はできません。
- 告知を受けていなければ、期間の制限にかかりません。何日経っていても(履行が完了していなければ)解除できます。
4. 履行は「引渡し+代金全額」の両方で不可になる
解除できなくなるのは、物件の引渡しを受け、かつ代金の全額を支払ったときです。片方だけならまだ解除できます。「引渡しは受けたが代金の一部が未払い」「代金は全額払ったが引渡しはまだ」——どちらもまだ解除可能です。
5. 解除の方法と効果
― ここは確実に覚える ―
- 解除は書面で行う。書面を発した時に効力が生じる(発信主義)。到達時ではありません。
- 売主業者は、買主が支払った手付金その他の金銭の全額をすみやかに返還しなければならない。
- 売主業者は、買主に対し損害賠償や違約金の支払いを請求できない。
6. 特約は「買主に有利ならOK、不利なら無効」
- 解除できる期間を10日間・14日間に延長する特約 → 買主に有利なので有効。
- クーリング・オフをしない旨の合意 → 買主に不利なので無効。合意していても買主は解除できます。
7. ひっかけポイント
― ここで落とされる ―
- 判定するのは契約の場所ではなく申込みの場所。
- 買主の自宅・勤務先は買主からの申出があったかで結論が逆になる。
- 案内所は土地に定着しているかで分かれる。テント張りは事務所等ではない。
- 履行は引渡しと代金全額の両方がそろって初めて不可。片方では不可にならない。
- 効力は発した時(発信主義)。8日目に発信すれば到達が9日目でも有効。
- 買主が宅建業者なら8種制限そのものが適用されない。
※本ページは学習用のまとめです。令和8年度試験の法令基準日は令和8年4月1日です。法令は改正されることがあるため、受験にあたっては最新の公式情報をご確認ください。監修:宅建久保田塾(久保田充秋)。