宅建「8種制限」いつ・どこまでかかるか
自ら売主制限(8種制限)は、宅建業法の中でも配点の重いテーマです。判定はいつも同じ2段構え——まずそもそも適用されるのか、次に個別の制限をクリアしているか。上のチェッカーはこの順番で判定します。
1. 大前提:適用されるのは「業者が売主・非業者が買主」のときだけ
8種制限がかかるのは、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合だけです。買主も宅建業者なら、8種制限は一切適用されません。
この関門を忘れて個別の数字から考え始めると、事例問題で必ずやられます。「買主B社は宅地建物取引業者である」と書かれていたら、手付が何割だろうと適法です。まず当事者を見る。これが型です。
2. 手付は代金の2割まで(39条)
受領できる手付は代金の額の10分の2まで。これを超える部分は無効です。たとえば代金3,000万円なら600万円まで。
3. 損害賠償額の予定+違約金も、合計で2割まで(38条)
損害賠償額の予定と違約金を定めるときは、合算して代金の10分の2を超えられません。超える定めをしても契約全体が無効になるのではなく、超える部分が無効になります。「予定額」と「違約金」を別々に2割ずつ、ではありません。
4. 手付金等の保全措置(41条)
| 物件の状態 | 保全措置が必要になる額 |
|---|---|
| 工事完了前(未完成物件) | 代金の5%を超える、または1,000万円を超えるとき |
| 工事完了後(完成物件) | 代金の10%を超える、または1,000万円を超えるとき |
買主が所有権の登記を備えたとき(買主への移転登記がされたとき)は、手付金等の額にかかわらず保全措置は不要です。登記さえ手に入れば買主はもう守られている、という発想です。
未完成か完成かで割合が変わる点、そして割合と1,000万円のどちらかに引っかかれば必要になる点の2つを押さえてください。
5. 担保責任の特約の制限(40条)
民法では「不適合を知った時から1年以内に通知」が原則ですが、40条はこれより買主に不利な特約を無効とします。ただし例外が1つ。
- 通知期間を、引渡しの日から2年以上とする特約は有効です。「2年」も「3年」も有効。
- 「引渡しから1年」とする特約は無効。「一切責任を負わない」とする特約も無効です。
特約が無効になると、その部分は民法の原則に戻ります。詳しくは契約不適合責任チェッカーへ。
- 買主が宅建業者なのに、2割の制限を当てはめさせる——8種制限は適用されません。
- 「損害賠償の予定と違約金でそれぞれ2割まで」——合算して2割です。
- 「買主が登記を備えても、額が基準を超えれば保全措置が必要」——不要になります。
- 「引渡しから1年とする特約も有効」——2年以上でなければ無効です。
※本ページは学習用のまとめです。令和8年度試験の法令基準日は令和8年4月1日です。法令・告示は改正されることがあるため、受験にあたっては最新の公式情報をご確認ください。監修:宅建久保田塾(久保田充秋)。