宅建「契約不適合責任」買主は何を請求できるか
契約不適合責任は、民法改正で瑕疵担保責任から置き換わった制度です。古い過去問や古い教材は旧制度で書かれているため、そのまま覚えると危険なところ。上のチェッカーは現行法(562条〜566条)で判定します。
1. 買主が使える4つの手段
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| 追完請求 | 修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しを求める |
| 代金減額請求 | 不適合の程度に応じて代金を減らす |
| 損害賠償請求 | 損害の賠償を求める |
| 解除 | 契約を解消する |
2. 種類・品質の不適合には「1年の通知」がある
― 最重要 ―
種類・品質に関する不適合(雨漏りがあった、など)は、不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、追完・減額・損害賠償・解除のすべてができなくなります。
一方、数量に関する不適合(土地の面積が足りない、など)は、この1年ルールの対象外です。
起算点は「契約の時」でも「引渡しの時」でもなく、買主が不適合を知った時です。そして求められるのは通知であって、1年以内に請求や訴えを起こす必要はありません。ここは表現を入れ替えて出題されます。
3. 損害賠償だけ、売主の帰責事由が要る
4つの手段のうち、売主の帰責事由が必要なのは損害賠償だけです。追完請求・代金減額請求・解除には、売主に落ち度があったかどうかは関係ありません。債務不履行の「解除に帰責事由は不要/損害賠償には必要」と同じ発想です。
4. 解除の制限と、業者が売主のとき
- 不適合が軽微であるときは、催告による解除はできません。
- 宅建業者が自ら売主で買主が業者でない場合は、宅建業法40条の特約制限がかかります。民法より買主に不利な特約は原則として無効で、通知期間を引渡しの日から2年以上とする特約だけは有効です。詳しくは8種制限チェッカーへ。
― ひっかけの型 ―
- 「引渡しの時から1年以内に通知」——起算点は知った時です。
- 「1年以内に請求しなければならない」——必要なのは通知です。
- 「数量不足も1年以内の通知が必要」——数量は対象外です。
- 「解除にも売主の帰責事由が必要」——必要なのは損害賠償だけです。
※本ページは学習用のまとめです。令和8年度試験の法令基準日は令和8年4月1日です。法令・判例は改正等により変わることがあるため、受験にあたっては最新の公式情報をご確認ください。監修:宅建久保田塾(久保田充秋)。