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COLUMN / 宅建コラム

世代を、飛び越えて
― 桜井くんと代襲相続

権利関係・相続2026年6月28日

親が相続できないとき、その子(孫)が代わりに相続人になる――それが代襲相続。でも、“代わりになれる”のは、どんなときでしょう。今日の題材は 令和7年・問5。4つのケースで、線引きを見ていきます。

― 久保田塾の自習室にて ―

「先輩、代襲相続ってあるじゃないですか。親が亡くなってると、その子(孫)が相続人になるやつ」

「ああ。本来相続するはずだった子が相続できないとき、その子(孫)が“代わって”相続人になる。これが代襲だ」

「で、混乱するんですよ。どういうときに孫が代襲できるのか……」

「いい機会だ。おじいちゃんA、その子B、Bの子(孫)Cで考えよう。Aが死んだとき、孫Cが代襲できるか? 4ついくぞ」

その1:Bが、Aより先に亡くなっていた。これは?」

「あ、これは代襲できますよね。定番の」

正解、代襲する。これが一番わかりやすい代襲原因だ」

その2:Bが、Aの遺言書を偽造して、相続権を失った。いわゆる相続欠格だ」

「悪いことしたんだから、Bは相続できない……でも、孫Cは?」

代襲する。相続欠格も代襲原因だ。Bの罪は、Cには関係ないからな。子に罪はない」

その3:Bが、Aから廃除されて、相続権を失った。Aに『お前には相続させん』とやられたパターンだ」

「廃除……。これも、孫は関係ないから……代襲する?」

その通り、代襲する。廃除も代襲原因だ。死亡・欠格・廃除――ここまでは全部、孫が代襲できる

「じゃあ、全部できるんですか?」桜井くんが身を乗り出す。

「いや。最後の一つが、ひっかけだ。その4:Bが、自分の意思で“相続放棄”をした

「放棄……。Bが相続しないなら、その分、孫Cが?」

代襲しない」久保田さんはきっぱり言った。「相続放棄をすると、その人は“初めから相続人ではなかった”ことになる。相続人でなかった以上、その子が代わる“親の地位”がそもそも無い。だから孫は代襲しないんだ」

「なるほど……。死亡・欠格・廃除は『相続権を“奪われた・失った”』。でも放棄は『自分で“いらない”と手放した』。そこが分かれ目なんですね」

「よく言語化した。放棄だけ仲間外れ――そう覚えろ」

― 久保田さんのホワイトボード ―
A(祖父)― B(子)― C(孫)
代襲する: Bの 死亡 ・ 相続欠格 ・ 廃除
代襲しない: Bの 相続放棄

桜井くんは手帳に大きく書いた。

― 桜井くんの手帳 ―
・死亡・欠格・廃除 → 孫が代襲する。
・相続放棄 → 代襲しない(初めから相続人でなかった扱い)。
・合言葉:「放棄だけ、仲間外れ」

この物語の“宅建ポイント”

  • 代襲原因になる:被相続人より前の死亡・相続欠格・廃除。これらの場合、その子(孫)が代襲相続人となる。
  • 代襲原因にならない:相続放棄。放棄者は初めから相続人とならず、その子も代襲しない。
  • 令和7年・問5は「代襲するもの=ア(死亡)・イ(欠格)・ウ(廃除)」の組合せが正解。エ(放棄)は代襲しない。

この話のもとになった問題令和7年・問5(権利関係/代襲相続)。物語の線引き(放棄だけ代襲しない)が、そのまま正解につながります。

令和7年を解く →
※本コラムは学習用の読み物です。条文・判例の解釈は改正等により変わることがあります。実務・受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。