久保田塾 宅建・不動産資格チャンネル

令和8年度(2026年)宅建試験対応

今年ねらわれる 法改正まとめ

令和8年度の宅建試験は、約23年ぶりの区分所有法の大改正をはじめ、例年以上に改正点が多い年です。出題されやすいポイントを、改正前→改正後で見やすく整理しました。

📌 出題範囲の基準日は「令和8年4月1日」。この日までに施行されている法令が、令和8年度試験の対象です(4月2日以降に施行されるものは、その年は出題されません)。
※ 本ページは久保田塾長の監修済みです。法令は随時改正されるため、学習の際は最新・正確な条文(e-Gov法令検索・国土交通省)もあわせてご確認ください。
分野で色分け/の数は、当チャンネルの出題予想(重要度)の目安です。
1

区分所有法の大改正(約23年ぶり)

権利関係 令和8年4月1日 施行 ★★★★★ 最重要
毎年1問出る区分所有法が、大きく変わりました。背景は「決まらないマンション」問題。所在不明者や欠席者がいると、全区分所有者を分母に数えるため決議が成立しにくかった点を見直し、決議が進みやすくなりました。

① 所在不明の区分所有者を「分母から除外」できる制度の新設

改正前
連絡が取れない・所在不明の区分所有者がいても、全員を分母に含めて計算するため、欠席者が多いと決議が成立しにくかった。
改正後
裁判所の手続きを経て、所在不明の区分所有者を分母から除外できるようになった。決議が格段に通りやすくなる。

② 共用部分の変更決議の要件緩和

改正前
共用部分の「重大な変更」は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要だった。
改正後
バリアフリー工事など一定の場合は各3分の2以上の賛成に緩和。高齢化するマンションで工事が進めやすくなった。

③ 建替え決議の要件緩和

改正前
建替え決議は常に区分所有者・議決権の各5分の4以上の賛成が必要。老朽化が深刻でも建替えが進まないケースが多かった。
改正後
耐震不足・外壁剥落・給排水管腐食など危険な状態が認められる場合は各4分の3以上の賛成で建替えを決議できる。

④ 建替え決議後の賃貸借終了制度の新設

改正前
建替えが決まっても、賃借人がいる場合は賃貸借契約を個別に終了させる必要があり、明渡しが困難なケースがあった。
改正後
建替え決議後、区分所有者から終了請求をすると6か月の経過で賃貸借が終了。ただし賃借人は補償金の提供を受けるまで明渡しを拒める

⑤ 一括売却・建物取壊し等の新手法(多数決で可能に)

改正前
建替え以外の再生手法(一括売却・一棟リノベーション・建物取壊しなど)は、全員の同意が必要で事実上不可能だった。
改正後
区分所有者・議決権の各5分の4以上の多数決で可決できる制度が創設。建替えに頼らない再生の選択肢が広がった。

⑥ 財産管理制度・国内管理人制度の新設

  • マンション専用の財産管理制度:所在不明の区分所有者の持分について、裁判所が選任した管理人が管理できる制度。
  • 国内管理人制度:外国に居住するなど連絡が取りにくい区分所有者に、国内に管理人の選任を義務付ける制度。
⚠️ 当チャンネルの過去問データでも、区分所有法の問題は改正にあわせて改題し「改題済み」と表示します。古いテキスト・過去問のままだと、改正前の知識で失点する危険があります。

触って実感 / 動く新旧対比

決議シミュレーター(60戸のマンション)

右のスライダーで「賛成する住戸」を動かすと、左のマンションの窓が下から点灯します。共用部分の重大変更が、改正前改正後で「何戸の賛成で可決するか」を同時に見比べられます。改正で"どれだけ通りやすくなったか"が一目で分かります。

15階建・各階4戸=60戸/窓=賛成した住戸
総戸数 60戸。どの決議かを選び、賛成戸数を動かしてみてください。
賛成 42/60戸
改正前否決
各 3/4 以上
必要 45戸(=3/4)
改正後否決
各 2/3 以上
必要 40戸(=2/3)

※ 実際の決議は「区分所有者の頭数」と「議決権」の両方で判定します。ここでは1戸=1票として割合のイメージをつかむための簡易シミュレーションです(端数は切上げ)。正確な要件は上の解説と条文をご確認ください。

2

住所・氏名変更登記の義務化

権利関係 令和8年4月1日 施行 ★★★★☆
改正前
住所や氏名が変わっても、変更登記をするかどうかは任意だった。
改正後
登記名義人の住所・氏名に変更があったときは、2年以内に変更登記の申請が義務。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料
相続登記の義務化(令和6年)に続く流れ。「いつまでに」「過料いくら」が問われやすいポイントです。
3

不動産登記法の新制度(所有不動産記録証明制度ほか)

権利関係 令和8年2月〜4月 施行 ★★★☆☆

① 所有不動産記録証明制度の新設(令和8年2月2日〜)

改正前
ある人が全国のどこに・どれだけ不動産を所有しているかを、一覧で確認する仕組みがなかった(相続の際に見落としが生じやすかった)。
改正後
所有者本人や相続人等の請求により、登記官がその人名義の全国の不動産を一覧化した証明書(所有不動産記録証明書)を交付する制度を新設。相続登記の見落とし防止がねらい。

② 職権による住所等変更登記(スマート変更登記)(令和8年4月1日〜)

改正前
住所・氏名の変更登記は、名義人本人が申請しなければ登記に反映されなかった。
改正後
登記官が住民基本台帳ネットワーク等の情報を用いて職権で住所等の変更登記をできる仕組みを新設(自然人は本人の申出があるときに限る)。上の「変更登記の義務化」とセットの制度。
いずれも新しい制度です。制度の名称と目的(相続登記の見落とし防止・登記情報の最新化)を押さえておきましょう。
4

公正証書遺言の作成のデジタル化

権利関係(民法) 令和7年10月1日 施行 ★★★☆☆
改正前
公正証書遺言の作成は、原則として公証役場へ出向く必要があった。
改正後
Web会議システムによるリモート立会い・電子署名での作成が可能になった。
5

「懲役・禁錮」→「拘禁刑」に一本化

宅建業法ほか 令和7年6月1日 施行 ★★★☆☆
改正前
欠格事由は「禁錮以上の刑に処せられた者」などと表現。
改正後
刑法改正で懲役・禁錮が「拘禁刑」に統一。宅建業法の欠格事由も「拘禁刑以上の刑に処せられた者」に。
内容(5年経過で欠格が解ける等)は変わらず、名称の変更。条文の言葉が変わった点に注意。罰則の表記も「拘禁刑」になります。
6

重要事項説明に「管理業者管理者方式」の説明を追加

宅建業法 令和8年4月1日 施行 ★★★☆☆
区分所有建物の取引で、その建物が「管理業者管理者方式」(マンション管理業者が管理組合の管理者を兼ねる方式)を導入しているか否かを、重要事項説明(35条)に追加して説明することになりました(宅建業法施行規則の改正)。
7

不動産関連の税制改正(令和8年度)

税その他 令和8年4月1日〜 ★★★★☆
宅建試験の「税その他」分野では、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の特例がよく問われます。令和8年度は複数の特例が延長・改正されています。

① 登録免許税の軽減措置の延長

改正前
土地の売買による所有権移転登記:本則2.0%のところ1.5%に軽減(令和8年3月31日まで)。
改正後(延長)
軽減税率(1.5%)の適用期限を令和11年3月31日まで3年間延長。税率自体は変わらず、期限だけが延びた。

② 不動産取得税の免税点の引き上げ

改正前(免税点)
土地:10万円/家屋(建築):23万円/家屋(その他):12万円。この額未満なら課税されない。
改正後(免税点)
土地:16万円/家屋(建築):66万円/家屋(その他):34万円にそれぞれ引き上げ。
補足:宅建業者が新築住宅を取得したとみなす日を、住宅新築の日から「6か月→1年」を経過した日とする特例の適用期限も5年延長されました。

③ 固定資産税の新築住宅特例(延長)

改正前
新築住宅の固定資産税を一定期間1/2に減額する特例(戸建て3年・マンション等5年。適用期限:令和8年3月31日)。
改正後(延長)
減額特例の適用期限を令和10年3月31日まで2年間延長

④ 固定資産税の免税点の引き上げ

改正前(免税点)
土地:30万円/家屋:20万円/償却資産:150万円。同一市町村内で同一人が所有する課税標準額の合計がこの額に満たない場合は課税されない。
改正後(引き上げ)
家屋:20万円 → 30万円/償却資産:150万円 → 180万円に引き上げ(土地は30万円のまま据置き)。約半世紀ぶりの見直し。
⏳ 適用は令和9年度分(賦課期日:令和9年1月1日)から。当チャンネルの過去問・解説は新値(家屋30万円)で統一しています。
⚠️ 数字が変わっている点(床面積40㎡、1.5%、1年など)が狙われやすいポイントです。「改正前の数字」と「改正後の数字」をセットで覚えましょう。
参考:近年の改正(まだ出題が浅く、狙われうる)分野施行
記名押印 → 記名(押印廃止/35条・37条書面)宅建業法令和4年〜
従業者名簿の住所欄の削除(生年月日は残る)宅建業法令和4年
標準媒介契約約款:あっせん「無」の理由記載・調査の限界明記宅建業法令和6年4月
相続登記の義務化・相続人申告登記権利関係令和6年4月
建築確認の対象建築物の範囲拡大(4号特例の見直し)法令制限令和7年4月
宅建業者名簿・標識の記載事項/標識サイズの変更宅建業法令和7年

穴埋め採点ドリル(法改正)

上の改正点を覚えられたか、カッコに記入して「採点する」でチェック。間違えたら「間違いだけやり直す」で繰り返し挑戦できます。数字だけ入力(単位不要)/分数は「2/3」のように半角スラッシュで入力。

法改正①区分所有法の大改正最重要

共用部分の重大な変更の決議は、原則 各(①)以上だが、バリアフリー工事など一定の場合は各(②)以上に緩和された。建替え決議は原則 各(③)以上、危険な状態が認められる場合は各(④)以上に緩和。建替え決議後は、終了請求から(⑤)か月の経過で賃貸借が終了する。

法改正②登記の義務化重要

登記名義人の住所・氏名に変更があったときは(①)年以内に変更登記の申請が義務化され、正当な理由なく怠ると(②)万円以下の過料に処せられる。先行する相続登記の義務化(令和6年4月)では、所有権の取得を知った日から(③)年以内に申請しなければならない。

法改正③令和8年度の税制改正重要

土地の売買による所有権移転登記の軽減税率(①)%は、適用期限が令和(②)年3月末まで延長された。不動産取得税の免税点は、土地(③)万円/建築した家屋(④)万円/その他の家屋(⑤)万円に引き上げ。固定資産税の免税点は、家屋(⑥)万円/償却資産(⑦)万円に引き上げられた。

毎年1問出る「統計問題(問48)」対策

令和8年度 宅建試験 統計データまとめ

問48は「統計を見て正しいものを選ぶ」問題。数値の暗記より「上がった/下がった」「何年連続か」という傾向の把握が重要です。

統計①

地価公示(令和8年・2026年3月発表)

税その他 ★★★★★ 必出
  • 全国平均は全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇(全用途 +2.8%/住宅地 +2.1%/商業地 +4.3%)。
  • 全用途平均・商業地は上昇幅が拡大。住宅地は前年と同じ上昇幅。三大都市圏はより高い伸び(全用途 +4.6%)。
  • 三大都市圏・地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)だけでなく、地方圏全体でも上昇が広がっている。
  • 調査地点数は全国で約26,000地点
「何年連続で上昇か(5年)」「地方圏でも上昇しているか」が問われやすいポイントです。
統計②

新設住宅着工統計(令和7年・国土交通省)

税その他 ★★★★☆
  • 令和7年の新設住宅着工戸数:約74万戸(740,667戸)。年間で74万戸台は約62年ぶりの低水準。
  • 前年比6.5%減3年連続の減少
  • 利用関係別も持家・貸家・分譲すべて減少(持家 約20.1万戸 −7.7%=4年連続減/貸家 約32.4万戸 −5.0%/分譲 約20.8万戸 −7.6%)。
「増えたか減ったか(減少)」「何年連続か(3年連続)」を押さえましょう。持家・貸家・分譲がそろって減った点もチェック。
統計③

宅地建物取引業者数(令和7年3月末現在)

税その他 ★★★☆☆
  • 全国の宅建業者数:132,291業者。前年比 約1.3%増で11年連続の増加
  • 内訳:大臣免許 3,158業者/知事免許 129,133業者
  • 知事免許が全体の約97.6%を占める(圧倒的多数)。
「大臣免許と知事免許のどちらが多いか(知事免許)」「増えているか(11年連続増加)」が定番の出題パターンです。
統計④

不動産業の売上高(法人企業統計・令和6年度)

税その他 ★★☆☆☆
  • 不動産業の売上高:約58.8兆円(588,245億円)、前年度比4.2%増(2年連続の増加)。
  • 不動産業の経常利益:約7.9兆円(79,796億円)、前年度比8.7%増(2年連続の増加)。
  • 全産業の売上高に占める割合:約3.47%
「増加か減少か(売上高・経常利益とも増加)」「全産業に占める割合」が問われることがあります。
主な参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構(試験範囲の基準日)/国土交通省・全国宅地建物取引業協会連合会(宅建業法施行規則改正のお知らせ)/法務省(区分所有法・不動産登記法改正)/e-Gov法令検索/財務省(令和8年度税制改正大綱)/国土交通省(令和8年地価公示・令和7年新設住宅着工統計)/国土交通省不動産・建設経済局(宅地建物取引業者数・令和6年度末=令和7年3月末現在)/財務省(法人企業統計・令和6年度)。
※ 本ページは受験対策上のポイントを分かりやすく整理したものです。改正の解釈・細部・統計数値は久保田塾長の監修で確定します。最新・正確な条文および統計は必ず公式(e-Gov法令検索・国土交通省)でご確認ください。