木造2階建ての戸建てを、柱や梁まで大がかりにリフォームしたい――。このとき建築確認は要る? 要らない? 「昔はこうだった」がそのまま通用しなくなった論点です。今日の題材は 令和7年・問17。桜井くんが、あやうく古い知識で答えかけました。
「先輩、ひとつ確認させてください。お客さんが中古の木造2階建てを買って、あとで大がかりにリフォームしたいそうなんです。柱や梁も、けっこう入れ替える感じで」
「ほう。それで、なんて答えた?」
「いや、まだ答えてないんです。『戸建てのリフォームなら建築確認は要りませんよ』って言いかけて……なんだか引っかかって、口をつぐんじゃって」
「よく止まった」久保田さんは資料を置いた。「それ、令和7年4月から変わったところだ」
「変わった……? 小さい戸建ては確認いらない、って習った気がするんですが」
「昔はな。木造2階建てのような小規模な建物は、いわゆる『4号特例』で、大規模の修繕・模様替のときに建築確認が不要だった。新築のときは要るけど、あとの大規模リフォームは要らない、と」
「あ、それです、その感覚」
「ところが、令和7年4月施行の改正(4号特例の見直し)で、木造2階建て住宅などでも、大規模の修繕・模様替をするときに建築確認が必要になったんだ。今回みたいに柱や梁を大きくいじる工事なら、まさに引っかかる」
「うわ……。『要りませんよ』ってそのまま言ってたら、お客さんに間違った案内をするところでした」
「そこが営業の怖いところだ。古い知識のまま自信満々に答えるのが、一番危ない。『昔は不要だった。でも令和7年4月から必要になった』――ここをセットで覚えろ」
「ちなみに先輩、この問題の他の肢はどうだったんですか」
「ついでに拾っておこう。まず、建築確認は建築基準法だけを見るんじゃない。盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)などの『建築基準関係規定』への適合も確認を受ける――これは正しい肢だ」
「へえ、確認って“建築基準法チェック”だけじゃないんですね」
「そう。あとは細かい単体規定が2つ。延べ面積が1,000㎡を超える木造は、外壁・軒裏の延焼のおそれのある部分を防火構造に。それと、高さ1m以下の階段には手すりを設けなくてよい。どちらも正しい」
「じゃあ“誤っているもの”は、やっぱり……」
「『大規模の修繕なら確認不要』とした肢。そこが今回の×だ」
新築 … 建築確認が必要(従来どおり)
大規模の修繕・模様替 … 令和7年4月から「必要」に(=以前は不要だった)
+ 確認では「建築基準関係規定」(盛土規制法など)への適合も見る
桜井くんは手帳に、赤で線を引いた。
・「戸建てのリフォームは確認不要」は“昔の話”。うっかり言わない。
・確認は建築基準法だけでなく、盛土規制法などの「建築基準関係規定」も見る。
この物語の“宅建ポイント”
- 4号特例の見直し(令和7年4月施行):木造2階建て住宅などでも、大規模の修繕・模様替に建築確認が必要になった。「大規模の修繕なら不要」は誤り。
- 建築基準関係規定:建築確認では、建築基準法令だけでなく、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)などの関係規定への適合も確認を受ける(法6条)。
- 単体規定の小ネタ:延べ面積1,000㎡超の木造は外壁・軒裏の延焼のおそれのある部分を防火構造に(法25条)。高さ1m以下の階段には手すり不要(施行令25条4項)。
- 令和7年・問17は「誤っているもの」を選ぶ問題。誤り=「大規模の修繕では確認不要」とした肢です。
この話のもとになった問題令和7年・問17(法令上の制限/建築基準法・建築確認)。令和7年4月の改正点がそのまま急所になった一問です。
令和7年を解く →