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COLUMN / 宅建コラム

テントの現地販売所に、要るもの
― 桜井くんと事務所・案内所

宅建業法・事務所・案内所2026年7月30日

分譲の現地に建てる小さな販売所。あそこに何を備えなきゃいけないか——実はここ、試験でよく問われます。事務所と、現地の案内所とで、必要なものが違うのです。桜井くんの現地販売の準備から整理しましょう。

― 分譲地に建てた現地販売テント ―

「先輩、この現地の販売所、事務所と同じものを一式そろえればいいですか?」

「ちょっと待て。まず“事務所”に要るものを言えるか?」

「えっと……標識と、あと専任の宅建士……」

「五つある。①標識 ②報酬額の掲示 ③成年者である専任の宅建士(業務に従事する者5人に1人以上) ④従業者名簿 ⑤帳簿。この五点セットは事務所のものだ。しかも報酬額の掲示は“事務所だけ”。案内所には要らない。従業者名簿と帳簿は“事務所ごと”に備える——本店に全支店分をまとめる、じゃないぞ」

「じゃあ現地の案内所には、何を?」

「そこが今日の本題だ。案内所は“そこで契約の申込みや締結をするか”で扱いが変わる。この販売所、契約の申込みは受けるのか?」

「はい、申込みは現地で受けます」

「なら標識に加えて、成年者である専任の宅建士を“1名以上”置く必要がある。事務所ほど何人も要らない、案内所は1名以上でいい。——そして忘れちゃいけないのが届出だ。業務を開始する日の“10日前”までに、免許権者と、その案内所の所在地を管轄する都道府県知事の“両方”に届け出る

「片方じゃなくて、両方の知事に……。もし契約はせず、資料を配るだけの案内所だったら?」

「その場合は軽い。契約の申込み・締結をしない案内所は、専任の宅建士も届出も要らない。“標識”だけ掲げればいい。ただし標識は、契約をしようがしまいが必ず要る。忘れるな」

「標識は誰が出すんですか? 売主? うち(媒介)?」

案内所を“設置した業者”が、自分の標識を掲げ、届出もする。それと分譲では、案内所だけでなく、物件の所在する場所にも標識を出す。二か所要ると覚えろ」

桜井くんは、事務所と案内所を並べて手帳に書いた。

― 桜井くんの手帳 ―
・事務所の五点=標識/報酬額掲示/専任宅建士/従業者名簿/帳簿。
・報酬額掲示は事務所だけ。名簿・帳簿は“事務所ごと”に備える。
・契約の申込み・締結をする案内所=標識+専任宅建士1名以上+届出。
・届出は業務開始の10日前までに、免許権者と所在地の知事の“両方”へ。
・契約行為をしない案内所は標識だけ(専任宅建士・届出は不要)。標識は設置業者が掲示。
事務所 と 案内所(契約する/しない)
事務所案内所(契約する)案内所(契約しない)
標識
専任の宅建士1名以上不要
50条2項の届出10日前まで・両知事不要
報酬額の掲示不要不要
従業者名簿・帳簿要(事務所ごと)不要不要

この物語の“宅建ポイント”

  • 事務所には、標識・報酬額の掲示・成年者である専任の宅地建物取引士(業務に従事する者5人に1人以上)・従業者名簿・帳簿を備える。報酬額の掲示は事務所のみ。従業者名簿・帳簿は事務所ごとに備える(主たる事務所に全事務所分をまとめる必要はない)。
  • 契約の申込み・締結を行う案内所等には、標識のほか、成年者である専任の宅地建物取引士を1名以上置く。
  • その案内所等を設置する業者は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者およびその所在地を管轄する都道府県知事の双方に届け出る(法50条2項)。
  • 契約の申込み・締結を行わない案内所は、標識の掲示のみでよく、専任の宅建士の設置も届出も不要。ただし標識は契約行為の有無にかかわらず必要。
  • 標識の掲示・届出は、その案内所を設置した業者が行う。分譲では、案内所のほか物件の所在する場所にも標識を掲示する。

この論点を、肢で確かめる事務所・案内所は「何が要って何が要らないか」の仕分けを突く定番。肢別ドリルの「宅建業法 → 事務所・案内所」で、〇×を繰り返して五点セットと10日前・両知事を固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。事務所・案内所に関する規制は法改正により変わることがあります。受験・実務にあたっては最新の宅建業法・施行規則をご確認ください。