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COLUMN / 宅建コラム

毎年、土地の“ものさし”をつくる
― 桜井くんと地価公示法

税その他・地価公示法2026年7月30日

「近くの土地、いくらが相場なんだろう」——その物差しになるのが地価公示です。国が毎年、代表的な土地の値段を公表している。誰が、どうやって決めて、その値段にどんな効き目があるのか。桜井くんが新聞の見出しに引っかかりました。

― 春先、地価公示の記事を前に ―

「先輩、『地価公示、住宅地◯%上昇』ってニュース、毎年春に見ますよね。あれ、誰が決めてるんですか?」

「決めるのは土地鑑定委員会だ。全国に選んだ代表的な土地——標準地という——について、毎年1回、正常な価格を判定して公示する。“正常な価格”は、自由な取引で通常成立すると認められる価格のことだ」

「委員会が、えいやっと決めるんですか?」

「まさか。1つの標準地につき、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める。1人の主観で決めない、というのが大事なところだ」

「その公示価格って、どのくらい“効く”んですか? みんな従わなきゃいけない?」

「効き目が場面で違う。まず、一般の土地取引では、公示価格を“指標として取引するよう努める”——努力義務だ。守らなくても契約が無効になったりはしない。ところが公共事業などで土地を収用して取得するときは、取得価格を公示価格“を規準として”定めなければならない。こっちは強い。“指標”と“規準”、言葉で効き目が違うんだ」

「不動産鑑定士が仕事で評価するときは?」

「公示区域内で鑑定評価をするときは、公示価格を規準としなければならない。プロには重い縛りがかかる、と押さえろ」

「その“公示区域”って、都市計画区域の中だけですか?」

「違う、そこは引っかけだ。公示区域は都市計画区域に限られない。土地取引が相当程度見込まれる区域なら、都市計画区域の外にも選べる。『都市計画区域内だけ』は誤りだ」

桜井くんは、効き目の違いを手帳に書き分けた。

― 桜井くんの手帳 ―
・土地鑑定委員会が、標準地の正常な価格を毎年1回判定・公示。
・標準地1つにつき、2人以上の不動産鑑定士が鑑定評価。
・一般の取引=公示価格を“指標”に(努力義務、無効にはならない)。
・収用の取得価格・鑑定士の評価=公示価格を“規準”に(強い縛り)。
・公示区域は都市計画区域の外にも選定できる。
公示価格の“効き目”は場面で違う
場面効き目
一般の土地取引を行う者公示価格を指標として取引するよう努める(努力義務)
収用等で土地を取得する取得価格公示価格を規準として定めなければならない
不動産鑑定士が公示区域内で鑑定評価公示価格を規準としなければならない

この物語の“宅建ポイント”

  • 土地鑑定委員会が、標準地について毎年1回、正常な価格を判定し、官報で公示する。正常な価格とは、自由な取引で通常成立すると認められる価格をいう。
  • 標準地の価格判定に当たっては、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めなければならない。
  • 一般の土地取引を行う者は、公示価格を指標として取引するよう努めなければならない(努力義務)。これに反しても契約が無効になるわけではない。
  • 収用できる事業のために土地を取得する場合の取得価格は、公示価格を規準として定めなければならない。不動産鑑定士が公示区域内で鑑定評価する際も、公示価格を規準とする。
  • 公示区域は都市計画区域内に限られず、土地取引が相当程度見込まれる区域であれば都市計画区域外にも選定できる。

この論点を、肢で確かめる地価公示法は「毎年1回・2人以上の鑑定士」「指標と規準の違い」を突く定番。肢別ドリルの「税その他 → 地価公示法」で、〇×を繰り返して用語を固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。地価公示法の手続・用語は法改正により変わることがあります。受験・実務にあたっては最新の地価公示法をご確認ください。