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COLUMN / 宅建コラム

開業に積む、1000万円
― 桜井くんと営業保証金

宅建業法・営業保証金2026年7月29日

宅建業を始めるとき、会社は営業保証金というお金を国(供託所)に預けます。もしお客さんが取引で損害を受けたら、そこから支払われる仕組み。金額・預け先・開業のタイミングが問われます。桜井くんの独立話から見ていきましょう。

― いつか独立したい桜井くんの相談 ―

「先輩、いつか自分の店を持ちたいんです。免許さえ取れば、すぐ営業できますよね?」

「まだだ。営業保証金を供託して、その旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始できない。免許=即営業、ではないんだ」

「いくら積むんですか?」

主たる事務所(本店)で1000万円、従たる事務所(支店)は1か所ごとに500万円。本店だけなら1000万、支店が2つあれば1000+500×2で2000万だ。預け先は主たる事務所の最寄りの供託所。支店の分もまとめて本店の最寄りに供託する」

「現金がそんなに無かったら……」

金銭のほか、国債などの有価証券でも供託できる。全額を現金で用意しなくていい。——それと桜井、もし将来お前が誰かと取引して相手に損害を与えたら、相手はこの供託金から還付を受けられる。ただし一つ注意だ。還付を受けられる“相手方”に、宅建業者は含まれない。プロどうしの取引は保護の対象外なんだ」

「お客さん(素人)は還付OK、業者はダメ、と」

「そうだ。そして還付でお金が減ったら、不足の通知を受けてから2週間以内に、不足額を供託して穴を埋め、供託したらまた2週間以内に届け出る。放っておけない」

桜井くんは手帳に数字を書き込んだ。

― 桜井くんの手帳 ―
・本店1000万+支店ごと500万。預け先は本店の最寄りの供託所(支店分もまとめて)。
・供託して“届け出た後”でないと開業できない(免許だけでは不可)。
・金銭でも有価証券でもよい。
・還付を受けられる相手に「宅建業者」は含まれない。
・還付で不足→通知から2週間以内に供託、供託から2週間以内に届出。

この物語の“宅建ポイント”

  • 営業保証金は、主たる事務所につき1000万円、従たる事務所ごとに500万円。これを主たる事務所の最寄りの供託所に供託する(従たる事務所の分もまとめて供託)。
  • 供託し、その旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始(取引)できない。免許を受けただけでは営業できない。
  • 営業保証金は、金銭のほか一定の有価証券でも供託できる。
  • 宅建業に関し取引をした者は、その債権について供託金から還付を受けられるが、宅地建物取引業者は還付請求権者から除かれる。
  • 還付により営業保証金が不足したときは、通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託し、供託した日から2週間以内にその旨を届け出る。

この論点を、肢で確かめる営業保証金は「金額・供託所・還付の相手・期限」を入れ替えて問う定番。肢別ドリルの「宅建業法 → 営業保証金」で、〇×を繰り返して数字を固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。営業保証金の額・手続は法改正により変わることがあります。受験・実務にあたっては最新の宅建業法をご確認ください。