ルールを破った宅建業者には、行政から「お仕置き」が下ります。それが監督処分。軽いものから重いものまで三段階あり、「誰が」「どの処分を」できるのかが試験の急所です。桜井くんの会社にヒヤリとする話が舞い込みました。
「先輩、大変です。うちの営業が、隣の県の現場でかなりまずい勧誘をしたらしくて……。うちは甲県知事の免許ですけど、処分するのは甲県知事だけですよね?」
「そこが大事なところだ。まず監督処分は三段階ある。軽い順に①指示処分 ②業務停止処分(1年以内の期間) ③免許取消処分だ」
「その一番重い免許取消は、うちに免許をくれた甲県知事がやるんですよね」
「そうだ。免許取消ができるのは“免許権者”だけ。だが——①指示処分と②業務停止処分は、違反行為をした“業務地”の都道府県知事もできる。隣の県で悪さをすれば、その県の知事から業務停止を食らうことがあるんだ。免許は甲県でもな」
「免許をくれた知事じゃなくても、業務停止をかけられる……」
「覚え方はこうだ。免許取消は“免許をくれた人”だけ。指示・業務停止は“悪さをした場所の人”もできる。ここは毎年のように問われる」
「もし業務停止を無視して営業を続けたら?」
「それは最悪だ。業務停止処分に違反したときは、免許権者は“必ず”免許を取り消さなければならない。『取り消すことができる』じゃない、必ずだ。ほかにも、不正な手段で免許を取った、免許を受けてから1年以内に事業を始めない、引き続き1年以上事業を休んだ——こういう場合も必要的(絶対的)に取り消される」
「重い処分は、いきなり下されるんですか?」
「いや、指示・業務停止・免許取消をしようとするときは、原則として“聴聞”を行う。言い分を聞く機会を必ず設ける。しかも聴聞の審理は公開だ。それと、業務停止処分と免許取消処分をしたら公告されるが、一番軽い指示処分は公告されない」
「宅建士のほうにも処分ってあるんですか?」
「ある。宅建“士”への処分は、指示処分・事務禁止処分(登録した知事と業務地の知事ができる)・登録消除処分だ。業者への処分と、士への処分は別立てだから混ぜるな」
桜井くんは、処分の主体を手帳に整理した。
・免許取消は“免許権者”だけ。指示・業務停止は“業務地の知事”もできる。
・業務停止処分に違反→必ず免許取消(必要的取消)。
・指示・業務停止・免許取消の前は原則“聴聞”。指示処分は公告されない。
・宅建士への処分=指示・事務禁止・登録消除(業者とは別立て)。
| 処分 | 免許権者 | 業務地の知事 |
|---|---|---|
| 指示処分 | できる | できる |
| 業務停止処分(1年以内) | できる | できる |
| 免許取消処分 | できる | できない |
この物語の“宅建ポイント”
- 宅建業者への監督処分は、指示処分・業務停止処分(1年以内の期間)・免許取消処分の3種類。
- 免許取消処分ができるのは免許権者に限られる。一方、指示処分・業務停止処分は、免許権者のほか、違反行為が行われた区域を管轄する都道府県知事もすることができる。
- 業務停止処分に違反したときは、免許権者は必ず免許を取り消さなければならない(必要的取消)。不正の手段による免許取得、免許取得後1年以内の事業不開始や引き続き1年以上の事業休止なども必要的取消事由。
- 指示・業務停止・免許取消の処分をしようとするときは、原則として聴聞を行う。聴聞の審理は公開で行われる。業務停止処分・免許取消処分をしたときは公告されるが、指示処分は公告されない。
- 宅地建物取引士に対する監督処分は、指示処分・事務禁止処分・登録消除処分(業者への処分とは別立て)。
この論点を、肢で確かめる監督処分は「処分の種類」と「誰ができるか」を入れ替えて突く定番。肢別ドリルの「宅建業法 → 監督処分・罰則」で、〇×を繰り返して主体と要件を固めましょう。
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