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COLUMN / 宅建コラム

「徒歩10分」の正しい測り方
― 桜井くんと景品表示法

税その他・景品表示法2026年7月29日

試験の直前期に効くのが免除科目。なかでも景品表示法(不動産の広告ルール)は、日々のチラシに直結する身近な分野です。「駅から徒歩◯分」の書き方一つにも決まりがある。桜井くんのチラシ作りから、広告のルールを見ていきましょう。

― 物件チラシの作成中 ―

「先輩、この物件、駅まで実際に歩いたら9分くらいでした。“徒歩7分”って書いていいですか、印象いいので」

「ダメだ。徒歩の時間は感覚で書けない。徒歩の所要時間は、道路距離80mにつき1分で計算する。しかも1分未満の端数は切り上げ。信号待ちや坂は考えない、と決まっている」

「じゃあ、駅まで道なりに640mなら……80で割って8分ですね」

「そうだ。もし680mなら、8.5分だから切り上げて9分だ。都合よく短くは書けない。——それと桜井、この“おとり”みたいなチラシはやめろ」

「おとり、ですか?」

実際には取引できない物件——もう売れてしまった物件や、そもそも存在しない好条件の物件——で客を集める『おとり広告』は禁止だ。『まだあります』と見せかけて呼び込み、来たら別を勧める。これは重大な違反だぞ」

「気をつけます……。あと、この『通常5,000万→今だけ4,500万』みたいな値引き表示は?」

「それも『二重価格表示』といって、制限がある。実際にはその高い価格で売っていなかったのに、値引きしたように見せるのは不当表示だ。比較する“もとの価格”には根拠が要る」

桜井くんは、チラシを書き直しながらメモした。

不動産広告の主なルール
項目ルール
徒歩の所要時間道路距離80mにつき1分。1分未満の端数は切り上げ
おとり広告取引できない物件等で客を誘引するのは禁止
二重価格表示根拠のない「もとの価格」との比較は不当表示
― 桜井くんの手帳 ―
・徒歩は道路距離80mで1分、端数は切り上げ(都合よく短くできない)。
・おとり広告(売れた・存在しない好条件物件で誘引)は禁止。
・二重価格表示は、もとの価格に根拠がなければ不当表示。
・誇大広告は宅建業法でも禁止(被害がなくても違反)。

この物語の“宅建ポイント”

  • 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分として算出し、1分未満の端数は切り上げる。
  • 実際には取引の対象となり得ない物件等で顧客を誘引する「おとり広告」は禁止される。
  • 実際と異なる比較対象価格を用いる二重価格表示など、不当表示は禁止される。
  • 宅建業法の誇大広告等の禁止とあわせて、広告は「事実に基づき、誤認させない」が原則。

この論点を、肢で確かめる景品表示法は「80m=1分」など数字と禁止類型が問われる免除科目の定番。肢別ドリルの「税その他 → 景品表示法」で、〇×を繰り返して固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。表示規約の細目は改正されることがあります。受験・実務にあたっては最新の景品表示法・不動産の表示に関する公正競争規約をご確認ください。