土地や家を持っていると、毎年かかるのが固定資産税。「いつ時点の所有者に課税するのか」が最大の急所で、年の途中で売買したお客さんから必ず質問が来ます。前回の不動産取得税(取得の“一度きり”)と対で、桜井くんと整理しましょう。
「先輩、3月に売買したこの土地、今年の固定資産税は売主と買主どっちに来るんですか?」
「固定資産税は市町村が課す税で、賦課期日は1月1日。その年の1月1日に、固定資産課税台帳に所有者として登録されている人が、その年度分の納税義務者だ。3月に売っても、税金の“宛先”は1月1日時点の所有者——つまり売主のままだ」
「じゃあ、買主は今年ぶんは払わなくていい?」
「法律上の納税義務者は売主だ。実務では当事者どうしで日割り精算することが多いが、それは私的な取り決め。税務上は1月1日の所有者が年度分を負う。ここを混ぜると失点する。税率は標準税率1.4%、条例で変えることもできる」
「評価額って、毎年変わるんですか?」
「いや。評価替えは3年ごとだ。原則、基準年度の価格を3年間据え置く。それと、住宅が建っている土地には大きな軽減がある。住宅用地の課税標準の特例だ」
久保田さんは、200平方メートルで線を引いた。
「200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準が6分の1、200平方メートルを超える部分(一般住宅用地)は3分の1になる。更地より、住宅を建てた土地のほうが税が軽い。ここは1/6と1/3を取り違えないことだ」
「建物のほうにも軽減は?」
「新築住宅は、一定期間、税額そのものを2分の1に減額する制度がある。一般の戸建て等は3年度分、中高層の耐火建築物なら5年度分。床面積120平方メートルまでの部分が対象だ。——課税標準を下げる住宅“用地”の特例と、税額を半分にする新築“住宅”の減額。土地と建物で仕組みが違うから、分けて覚えろ」
「小さな物件でも必ずかかるんですか?」
「そこで免税点だ。同じ市町村で同じ人が持つ課税標準額の合計が、この額に満たなければ課税されない。ここも改正が絡む」
久保田さんは、改正前と改正後を並べた。
| 区分 | 改正前 | 改正後(当サイトの表記) |
|---|---|---|
| 土地 | 30万円 | 30万円(据置き) |
| 家屋 | 20万円 | 30万円 |
| 償却資産 | 150万円 | 180万円 |
※同一市町村で同一人が所有する課税標準額の合計が、この額“未満”なら課税されない。
「土地は据え置きで30万、家屋は20万から30万に、償却資産は150万から180万に上がったんですね」
「そうだ。土地と家屋がそろって30万になったと覚えると楽だ」。久保田さんはうなずいた。桜井くんは手帳に整理した。
・賦課期日は1月1日。その日に台帳に登録された所有者が納税義務者。
・評価替えは3年ごと(原則3年据置き)。
・住宅用地の特例=200㎡以下1/6・200㎡超1/3。新築住宅は税額1/2減額(一般3年度分・中高層5年度分、120㎡まで)。
・【改正】免税点 土地30万(据置)/家屋20→30万/償却資産150→180万。
この物語の“宅建ポイント”
- 固定資産税は市町村が課す税で、標準税率は1.4%(条例で変更可)。賦課期日は1月1日で、その日に固定資産課税台帳に所有者として登録されている者が納税義務者となる。年度の途中で売買しても、その年度分は1月1日現在の所有者が負う。
- 評価替えは3年ごと。原則として基準年度の価格を3年間据え置く。
- 住宅用地の課税標準の特例:小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)は6分の1、一般住宅用地(200平方メートル超の部分)は3分の1。
- 新築住宅は、一定期間、税額が2分の1に減額される。一般の戸建て等は3年度分、中高層耐火建築物は5年度分(床面積120平方メートルまでの部分)。
- 【改正】免税点は、土地30万円(据置き)、家屋30万円(改正前20万円)、償却資産180万円(改正前150万円)。同一市町村で同一人が所有する課税標準額の合計がこの額に満たなければ課税されない。
改正点をまとめて確認固定資産税は税・その他の頻出論点。免税点の引上げなど改正の全体像は法改正まとめで、肢での定着は肢別ドリルの「税・その他 → 固定資産税」で。賦課期日と数字を固めましょう。
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