土地や建物を手に入れると、その“取得”という一度きりの場面で不動産取得税がかかります。毎年払う固定資産税とは別物。誰が課すのか、いくらか、かからない場合はあるか——桜井くんがお客さんに聞かれて、しどろもどろになった場面から始めましょう。
「先輩、お客さんに『取得税って市に払うの?』と聞かれて、答えられませんでした……」
「不動産取得税は都道府県が課す税だ。市町村じゃないぞ。ここは毎年ひっかけで出る。そして課税標準は売買代金じゃない。固定資産課税台帳の価格=固定資産税評価額を使う」
「税率は何%ですか?」
「標準税率は4%。ただし住宅(家屋)と土地は3%に軽くなっている。さらに、宅地の土地は課税標準そのものが2分の1に。地価の高い宅地の負担を抑える仕組みだ」
「新築を買った人には、何か割引は?」
「ある。新築住宅なら、課税標準から1,200万円が控除される。認定長期優良住宅なら1,300万円だ。ただし床面積の要件があって、一般には50〜240平方メートル(下限は40平方メートルまで緩和)に収まっていることが条件になる」
桜井くんは、相続の相談を思い出した。「そういえば、親から土地を相続したお客さんも、この取得税を払うんですか?」
「いや。相続による取得は非課税だ。相続は“買った”わけではなく、形式的に所有者が変わっただけ——そう扱われるからな。ここは『相続でも課税される』というひっかけで頻出だ」
「納め方は? 自分で計算して申告ですか?」
「不動産取得税の徴収は普通徴収。役所が税額を計算して納税通知書を送ってくるから、それで納める。自分で税額を申告して納める“申告納付”ではない。ここも入れ替えて問われる」
「小さな土地でも必ずかかるんですか?」
「そこが今日の本題だ。免税点——課税標準がこの額に満たなければ課税されない、というラインがある。ここが法改正で引き上げられた」
久保田さんは、改正前と改正後を並べて書いた。
| 区分 | 改正前(未満なら非課税) | 改正後(未満なら非課税) |
|---|---|---|
| 土地 | 10万円 | 16万円 |
| 家屋(建築=新築・増改築) | 23万円 | 66万円 |
| 家屋(その他=売買等の承継取得) | 12万円 | 34万円 |
※課税標準となるべき額が、この額“未満”なら不動産取得税は課されない。
「家屋は、新しく建てた(建築)ときと、中古を売買で買った(その他)ときで、ラインが違うんですね」
「そうだ。“建築”は新築・増改築、“その他”は売買などで人から引き継いだ取得。数字は改正で全部上がった。改正前の10万・23万・12万と、改正後の16万・66万・34万——両方まとめて手帳に残しておけ」
桜井くんは、急いでペンを走らせた。
・標準4%、住宅(家屋)と土地は3%。宅地の土地は課税標準1/2。
・新築住宅は課税標準から1,200万円控除(認定長期優良は1,300万円)。
・相続による取得は非課税。徴収は普通徴収(納税通知書が来る)。
・【改正】免税点 土地10→16万/家屋・建築23→66万/家屋・その他12→34万。
この物語の“宅建ポイント”
- 不動産取得税は都道府県が課す税で、課税標準は固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額)。売買代金ではない。
- 標準税率は4%だが、住宅(家屋)と土地は3%。宅地評価の土地は課税標準が2分の1とされる。
- 新築住宅は課税標準から1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)が控除される。床面積の要件がある(一般は50〜240平方メートル、下限は40平方メートルに緩和)。
- 相続による取得は非課税。形式的な所有権の移転として課税されない。徴収は普通徴収による。
- 【改正】免税点が引き上げられた。課税標準が、土地16万円・家屋のうち建築(新築・増改築)66万円・その他(売買等)34万円に満たない場合は課税されない(改正前は土地10万・建築23万・その他12万)。
改正点をまとめて確認不動産取得税は税・その他の定番。免税点の引上げなど改正の全体像は法改正まとめで、肢での定着は肢別ドリルの「税・その他 → 不動産取得税」で。数字の入れ替えに強くなりましょう。
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