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COLUMN / 宅建コラム

その土地は、家を支えられるか
― 桜井くんと「土地」(免除科目)

税その他・土地2026年7月29日

建物を建てる前に、まず問われるのが「その土地は大丈夫か」。試験の免除科目「土地」は、地形と地盤の“クセ”を読む常識問題です。細かい暗記より、良い土地と注意すべき土地の“見分け”を、桜井くんの現地調査から身につけましょう。

― 分譲地の現地を歩きながら ―

「先輩、この高台の土地、なんだか良さそうですけど、地盤って見た目で分かるんですか?」

「ある程度はな。まず大原則だ。台地や段丘のように、古い時代にできた地盤は、一般に構造物を支持できる強度があって宅地に向く。逆に、川沿いの低地に川が運んだ土砂がたまった軟らかい地盤は、重い建物を支えにくい。高いところほど古くて安定、低いところほど新しくて軟弱——ざっくりそう覚えろ」

「じゃあ、低地はぜんぶダメですか?」

「“ダメ”と言い切るな。宅地は工夫で使える。ただ注意が要る地形はいくつかある。谷底低地、埋立地、盛土で造成した土地、それに砂州や砂丘のように粒のそろった砂で地下水位が浅い所は、地震のとき液状化を起こしやすい。“傾向として弱い”と頭に入れておくんだ」

「液状化……砂の土地は注意なんですね」

「そうだ。もう一つ落とし穴がある。軟らかい層(軟弱層)が厚く積もった所では、地震の揺れはむしろ“増幅”されて大きくなる。『軟らかいから揺れが吸収されて小さくなる』は逆で、試験の定番の誤りだ」

桜井くんは、背後の急な斜面を指さした。「あの斜面のすぐ下の区画は?」

「いい着眼だ。30度以上の急な斜面を背後に控える宅地は、崖の保護対策や擁壁が要る。そしてその擁壁は、高さが低くても“水抜き孔”がないと背面に水がたまって危ない。『2m以下なら水抜き孔が無くても大丈夫』なんて言い切りは通用しない。盛土の造成でも、排水施設を設けて土をよく締め固めることが必要だ」

桜井くんは、地形ごとの“クセ”を手帳に整理した。

― 桜井くんの手帳 ―
・台地・段丘=古い地盤で一般に支持力あり→宅地に向く。
・低地・谷底低地・埋立地・盛土造成地・砂で地下水位が浅い所=注意(液状化しやすい)。
・軟弱層が厚い所は、地震動が“増幅”されて揺れが大きくなる(小さくなる、は誤り)。
・急斜面の下は擁壁・崖対策。擁壁は高さを問わず水抜き孔が要る。排水・締固めも大事。
宅地としての“向き・不向き”の目安
地形宅地としての傾向
台地・段丘(高台)古い地盤で一般に支持力があり向く
丘陵地山地ほど勾配が急でなく崩壊は生じ難い。盛土造成部は要注意
川沿いの低地・谷底低地軟弱で重い構造物を支持しにくい
埋立地・盛土造成地・砂州砂丘(地下水位が浅い)液状化しやすく注意
工場跡地・埋立地土壌汚染が問題となることがある

「地形の名前を覚えるより、『高くて古い=安定、低くて新しい・砂・盛土=注意』という“背骨”を持て。あとは各肢をそこに当てて〇×を判断すればいい」

桜井くんは、高台の分譲地をもう一度見渡した。少しだけ、地面の見え方が変わった気がした。

この物語の“宅建ポイント”

  • 台地・段丘は低地より古い時代に形成された地盤で、一般に構造物を支持できる強度をもち、宅地に適する。川沿いの低地に川が運んだ土砂が堆積した地盤は軟弱で、重い構造物を支持しにくい。
  • 埋立地・盛土造成地・谷底低地、砂州・砂丘のように粒径のそろった砂で地下水位が浅い所は、地震時に液状化しやすく注意が必要。
  • 軟弱層が厚く堆積している所では、地震動はむしろ増幅されて大きくなる。「軟弱だから揺れが小さくなる」は誤り。
  • 30度以上の急斜面を背後に控える宅地は、崖面の保護対策や擁壁を要する。擁壁は高さにかかわらず水抜き孔が必要で、盛土造成では排水施設の設置・締固めが必要。
  • 工場跡地や埋立地などでは、重金属・揮発性有機化合物による土壌汚染が問題となることがある。

この論点を、肢で確かめる「土地」は地形と地盤の常識を問う免除科目の得点源。肢別ドリルの「税その他 → 土地(免除科目)」で、〇×を繰り返して“向き・不向き”の目安を固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。地盤・造成の判断は個々の土地の条件により異なり、実務では地盤調査等が必要です。受験にあたっては最新の過去問・公式資料をご確認ください。