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COLUMN / 宅建コラム

名義を移すとき、国に納める税
― 桜井くんと登録免許税

税その他・登録免許税2026年7月30日

土地や建物の名義を変える「登記」には、税金がかかります。それが登録免許税。誰が、いくらを基準に納めるのか——そして、マイホームなら安くなる特例がある。数字の細かい税率より、まずは「枠組み」をつかむのがコツです。桜井くんの決済立会いから見ていきましょう。

― 売買代金の決済・登記の当日 ―

「先輩、今日の決済で司法書士さんが『登録免許税』って言ってました。これ、誰が払うんですか?」

「所有権移転の登記をするだろう。登録免許税は、その登記を受ける者が納める税だ。名義を自分のものにする買主が負担するのが普通だな」

「いくらになるんですか? 売買代金の3,000万円が基準ですか?」

「そこが引っかけどころだ。登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、原則として“固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)”を基礎に計算する。売買契約書に書いた実際の取引価格ではない。取引価格と評価額は、たいてい別物だぞ」

「実際に払った金額じゃないんですね……。ところで、マイホームは税金が安くなるって聞きました」

「ある。住宅用家屋の所有権移転登記には、税率の軽減の特例があるんだ。ただし要件がそろわないと使えない。桜井、覚えるべきは“税率が何パーセントか”じゃない。どんな家屋なら軽減が効くかのほうだ」

「要件、教えてください!」

「三つだ。①個人が“自己の居住用”に取得する家屋であること。②床面積が50㎡以上であること。③取得後1年以内に登記を受けること。この枠を外すと軽減は使えない」

「床面積は50㎡以上……。100㎡じゃないんですね」

「そこもよく出る。『100㎡以上』は誤り。50㎡以上でいい。それと、この軽減が使えるのは売買(や競落)で取得した場合だ。贈与や相続でもらった家屋の登記には、この軽減は使えない

「自分で買ったマイホーム、が対象なんですね。会社(法人)の登記だと?」

この“住宅用家屋の軽減”は、個人の自己居住用が前提だから、社宅として買った家屋などは対象外だ。——なお、そもそもの登録免許税自体は、登記を受ける者が個人でも法人でも納める。軽減の話と、税そのものの話を混同するなよ」

桜井くんは、枠組みを手帳に書き留めた。

― 桜井くんの手帳 ―
・登録免許税は「登記を受ける者」が納める。
・課税標準は固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額)が基礎。実際の取引価格ではない。
・住宅用家屋の軽減=①自己の居住用②床面積50㎡以上③取得後1年以内に登記。
・売買・競落はOK、贈与・相続はダメ。敷地(土地)には家屋の軽減は使えない。
住宅用家屋の税率軽減が使える/使えない
項目内容
取得者個人自己の居住用に取得
床面積50㎡以上(100㎡以上ではない)
登記の時期取得後1年以内に登記を受ける
取得の原因売買・競落は可/贈与・相続は不可
対象住宅用家屋の登記(その敷地である土地には適用なし)

「桜井、コツは『税率の数字は年で動くことがある。でも“誰が・何を基準に・どんな家屋なら軽減”の骨組みは安定している』だ。まずこの骨をつかめ」

「数字を丸暗記する前に、枠から入る……ですね」

この物語の“宅建ポイント”

  • 登録免許税は、登記等を受ける者が納める。
  • 課税標準となる不動産の価額は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)を基礎に計算する。売買契約書に記載された実際の取引価格ではない。
  • 住宅用家屋の所有権移転登記の税率の軽減は、個人が自己の居住の用に供する家屋で、床面積50㎡以上、取得後1年以内に登記を受けること等が要件。床面積の要件は「50㎡以上」であって「100㎡以上」ではない。
  • 軽減は売買・競落による取得が対象で、贈与・相続により取得した家屋の登記には適用されない。また、家屋の軽減はその敷地である土地の移転登記には及ばない。
  • この軽減の適用回数に制限はなく、共有取得の床面積は持分割合を乗じた面積ではなく家屋全体の床面積で判定する。

この論点を、肢で確かめる登録免許税は「課税標準」と「軽減の要件」を入れ替えて問う定番。肢別ドリルの「税その他 → 登録免許税」で、〇×を繰り返して枠組みを固めましょう。

肢別ドリルで解く →
※本コラムは学習用の読み物です。登録免許税の税率や軽減措置の期限等は法改正により変わることがあります(具体的な税率・適用期限はここでは扱っていません)。受験・実務にあたっては最新の登録免許税法・租税特別措置法をご確認ください。