Aが所有する甲建物をBに対して賃貸する場合の賃貸借契約の条項に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- AB間の賃貸借契約が借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約であるか否かにかかわらず、Bの造作買取請求権をあらかじめ放棄する旨の特約は有効に定めることができる。
- AB間で公正証書等の書面によって借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約を契約期間を2年として締結する場合、契約の更新がなく期間満了により終了することを書面を交付してあらかじめBに説明すれば、期間満了前にAがBに改めて通知しなくても契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。
- 法令によって甲建物を2年後には取り壊すことが明らかである場合、取壊し事由を記載した書面によって契約を締結するのであれば、建物を取り壊すこととなる2年後には更新なく賃貸借契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。
- AB間の賃貸借契約が一時使用目的の賃貸借契約であって、賃貸借契約の期間を定めた場合には、Bが賃貸借契約を期間内に解約することができる旨の特約を定めていなければ、Bは賃貸借契約を中途解約することはできない。
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正しい。建物賃貸借の終了時における造作買取請求権を定める借地借家法33条は、同法37条が定める強行規定(賃借人に不利な特約を無効とする規定)の列挙から外されており、任意規定である。したがって、定期建物賃貸借であるかどうかを問わず、造作買取請求権をあらかじめ放棄する旨の特約を有効に定めることができる。
誤り。定期建物賃貸借において期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない(借地借家法38条6項)。この規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効である(同条8項)。契約期間2年の本肢では終了通知が必要であり、通知をしなくても終了する旨の特約は無効であるから、本肢は誤りであり本問の正解である。なお、契約の締結に先立って書面を交付して説明しなければならないのは同条3項の別個の義務であり、これを行っても終了通知が不要になるわけではない。
正しい。法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる(借地借家法39条1項)。この特約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面(又は電磁的記録)によってしなければならない(同条2項・3項)。
正しい。一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、借地借家法の建物賃貸借に関する規定は適用されない(借地借家法40条)。したがって民法の原則により、期間の定めのある賃貸借は原則として期間内は解約できず、当事者が期間内に解約する権利を留保したときに限り解約の申入れをすることができる(民法618条)。中途解約の特約がなければBは中途解約できない。
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