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特集 / 法令上の制限・盛土規制法

盛土規制法は、
区域 × 規模の2軸で終わる。

令和5年5月26日 施行 比較表・規模判定ツール・オリジナル18問/条文根拠つき

宅地造成等規制法が全面改正され、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)になりました。範囲が広がって難しく見えますが、問われ方はほぼ決まっています

聞かれるのは結局この2つだけです。
どの区域か(宅地造成等工事規制区域/特定盛土等規制区域/造成宅地防災区域)
その規模は、許可か・届出か・対象外か

この特集の使い方。まず「①3区域の比較」で骨組みを入れ、「②規模基準」で数字を入れます。数字が入ったか不安なら「③判定ツール」に数値を打ち込んで答え合わせ。最後に「④オリジナル10問」で仕上げてください。
01

3つの区域を、1枚で見比べる

区域名を押すと、その列だけが残ります。まず1区域ずつ通して読むのがおすすめです。

比較項目 宅地造成等工事規制区域 特定盛土等規制区域 造成宅地防災区域
指定権者 都道府県知事(指定都市・中核市の長) 同左 同左
指定される場所 市街地・市街地となろうとする土地・集落の区域(隣接近接を含む)で、災害のおそれが大きい区域 上記区域以外の土地で、傾斜度・渓流の位置等からみて、災害により居住者等の生命身体に危害を生ずるおそれが特に大きい区域 宅地造成等工事規制区域以外の土地で、既に造成された宅地のうち災害のおそれが大きい一団の造成宅地(法45条1項)
規制の向き これから行う工事 これから行う工事 既存の造成地の維持・改善
規制対象の工事 宅地造成・特定盛土等・土石の堆積
(3種すべて)
特定盛土等・土石の堆積
(宅地造成は対象外)
― 工事の許可・届出制度なし
原則の手続 規模を超えればすべて事前許可 中規模=事前届出(着手30日前まで)
大規模=事前許可
手続なし
完了検査 あり(許可工事) 許可工事のみあり(届出工事はなし
中間検査・定期報告 あり。ただし政令で定める規模の許可工事に限る(中間検査=法18条・令23条/定期報告=法19条)。
規模は02の表の右端の列と同じ
許可工事のうち政令で定める規模のもの
土地の保全義務 所有者・管理者・占有者の努力義務(区域指定前の工事に起因するものを含む) 同様の努力義務あり 努力義務あり(擁壁等の設置・改造その他必要な措置)
勧告・改善命令 知事の勧告・改善命令あり 知事の勧告・改善命令あり 知事の勧告・改善命令あり(制度の中心)
工事以外の届出 ① 指定時に工事中 → 21日以内
② 高さ2m超の擁壁・排水施設の除却 → 14日前
③ 公共施設用地を宅地・農地等に転用 → 14日以内
左と同様の届出義務あり
重複の可否 規制区域内には指定不可 宅地造成等工事規制区域内には指定不可
(特定盛土等規制区域内には指定できる

ここが狙われる

特定盛土等規制区域では「宅地造成」が規制対象に入らない。区域の名前のとおり、対象は特定盛土等と土石の堆積だけです。

届出工事には完了検査がない。許可工事と届出工事で扱いが違う点をすり替えてきます。

造成宅地防災区域は、特定盛土等規制区域の中には指定できる。「どちらにも指定できない」と書いてあったら誤りです。

・工事以外の届出は21日以内/14日前/14日以内の3つ。数字と「前・以内」の組み合わせが入れ替えられます。

02

数字は、この2枚だけ覚える

盛土・切土で1枚、土石の堆積で1枚。これ以外の数字は出ません。

盛土・切土(令3条/令23条)

工事の態様 規制区域【許可】 特定区域【届出】 特定区域【許可】
=規制区域の中間検査ライン
盛土で生じる崖の高さ1m超1m超2m超
切土で生じる崖の高さ2m超2m超5m超
盛土+切土で生じる崖の高さ2m超2m超5m超
盛土の高さ(崖を生じなくても)2m超2m超5m超
盛土・切土の面積500㎡超500㎡超3,000㎡超
非対称に注意。「崖を生じない場合」の高さ基準は盛土にしかありません。崖を生じない切土は、面積500㎡超でしか捕まりません。ここは頻出です。
右端の列は、そのまま「中間検査」のラインでもある。宅地造成等工事規制区域の許可工事のうち中間検査(法18条1項)が必要になる規模は、この【特定区域・許可】の列と同じ数字です。特定区域の許可も令28条1項が令23条を引いており、条文が共通だからです。
したがって「規模にかかわらず中間検査を申請しなければならない」という肢は誤りになります。定期報告(法19条)も同じく、政令で定める規模の許可工事に限られます。

土石の堆積(令4条/令25条2項)

態様 規制区域【許可】 特定区域【届出】 特定区域【許可】
堆積の高さ2m超
(面積は問わない)
2m超
(面積は問わない)
5m超 かつ
面積1,500㎡超
面積(高さが基準以下のとき)500㎡超500㎡超3,000㎡超
高さの基準に面積要件はありません。令4条1号(高さ2m超)に面積の条件は付いていないので、高さ2m超なら面積が小さくても対象になります。「面積が○○㎡だから不要」という肢は、まず高さを見てください。
また「土石の堆積」は一定期間の経過後に除却するものに限られます(法2条4号)。恒久的に置くなら盛土の問題です。

数字が覚えられない人へ(覚え方)

① 届出ラインは、許可ラインと同じ数字。
特定区域の「届出」の数値は、規制区域の「許可」の数値と完全に一致します。どちらも令3条・令4条=定義そのものの規模だからです。つまり覚える数字は実質1組。

② そこから「許可」に上がるライン。
盛土・切土は高さ2〜2.5倍・面積6倍(令23条)。土石の堆積は5m超かつ1,500㎡超/3,000㎡超(令25条2項)。

つまり「1・2・2・2・500」を覚えて、特定区域の許可は「2・5・5・5・3,000」。この2列だけです。

03

数値を入れて、許可か届出かを判定する

表を閉じた状態で使ってください。答えが合っていれば、数字は入っています。

許可・届出 判定ツール
区域と工事を選び、数値を入れると即座に判定します
崖の高さm
土地の面積
規模の要件を満たしません
数値を入れてください。
このツールは規模による手続の判定だけを行います。実際の工事では、区域指定の有無・条例による上乗せ・他法令の許可など、別の検討が必要です。試験対策用としてお使いください。
04

用語でつまずいたら

「宅地造成」と「特定盛土等」の違いが曖昧なままだと、区域の話が全部ぼやけます。

用語の定義(法2条)を開く
用語定義(法2条)規制区域での扱い特定区域での扱い
宅地造成 宅地以外の土地を宅地にするために行う盛土その他の土地の形質の変更 規模を超えれば許可 規制対象外
特定盛土等 宅地又は農地等において行う盛土その他の土地の形質の変更で、隣接・近接する宅地において災害を発生させるおそれが大きいもの(法2条3号・令3条) 規模を超えれば許可 規模により届出または許可
土石の堆積 宅地又は農地等において行う土石の堆積(一定期間経過後に除却するものに限る)(法2条4号・令4条) 規模を超えれば許可 規模により届出または許可
補助定義。宅地=農地・採草放牧地・森林および道路・公園・河川等の公共施設用地以外の土地/農地等=農地・採草放牧地・森林/崖=地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地(硬岩盤を除く)。

つかみ方。特定盛土等は「宅地→宅地以外にする工事」ではなく、すでに宅地または農地等である土地で行う盛土等、と捉えてください。したがって農地を宅地にする工事のように、宅地造成と特定盛土等の両方の外形を満たす場面もあります。
変更手続(区域共通)を開く
変更の内容手続具体例
通常の変更事前に知事の許可(届出工事なら変更の届出)工事範囲の拡大、擁壁の構造変更など
軽微な変更変更、遅滞なく知事へ届出工事主・設計者・工事施行者の氏名住所の変更、着手/完了予定年月日の変更
「事前」か「事後」かだけを覚えてください。通常の変更は事前、軽微な変更は事後(遅滞なく)。ここを入れ替えた肢がよく出ます。
05

18問で仕上げる

〇か×かを押すと、その場で条文根拠つきの解説が開きます。間違えた問題は、上の表に戻って確認してください。

0 / 18 問
正解 0 問
06

次にやること

数字が入ったら、図で確かめて、過去問の肢で仕上げます。