問題
Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- Aと売買契約を締結したBが、平穏かつ公然と甲土地の占有を始め、善意無過失であれば、甲土地がAの土地ではなく第三者の土地であったとしても、Bは即時に所有権を取得することができる。
- Aと売買契約を締結したCが、登記を信頼して売買契約を行った場合、甲土地がAの土地ではなく第三者Dの土地であったとしても、Dの過失の有無にかかわらず、Cは所有権を取得することができる。
- Aと売買契約を締結して所有権を取得したEは、所有権の移転登記を備えていない場合であっても、正当な権原なく甲土地を占有しているFに対し、所有権を主張して甲土地の明渡しを請求することができる。
- Aを所有者とする甲土地につき、AがGとの間で10月1日に、Hとの間で10月10日に、それぞれ売買契約を締結した場合、G、H共に登記を備えていないときには、先に売買契約を締結したGがHに対して所有権を主張することができる。
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正解は3番
肢ごとの解説
×肢1
誤り。即時取得(民法192条)は動産についての制度であり、不動産には適用されない。したがって、甲土地が第三者の所有であった場合、Bが平穏・公然・善意無過失で占有を始めても、不動産である甲土地の所有権を即時に取得することはできない。本肢は誤りである。
根拠:民法192条
×肢2
誤り。不動産の登記には公信力がないから、Cが登記を信頼して真の所有者でないAと契約しても、甲土地の真の所有者がDである以上、Cは所有権を取得できない。Dの過失の有無は関係しないから、本肢は誤りである。
根拠:民法177条・不動産登記に公信力なし
◯肢3
正しい。不法占拠者など正当な権原なく不動産を占有する者は、民法177条にいう「第三者」に当たらない。したがって、所有権を取得したEは、移転登記を備えていなくても、不法占拠者Fに対して所有権を対抗し、甲土地の明渡しを請求することができる(判例)。本肢が本問の正解である。
根拠:民法177条・判例
×肢4
誤り。同一の不動産が二重に譲渡された場合、その優劣は登記の先後によって決せられる(民法177条)。G・Hが共に登記を備えていないときは、互いに所有権を対抗することができず、売買契約の締結の先後は関係しない。したがって、先に契約したGがHに所有権を主張できるとする本肢は誤りである。
根拠:民法177条
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。