問題
不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 不法行為による損害賠償の支払債務は、催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥るので、その時以降完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければならない。
- 不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合でも、相続の対象となる。
- 加害者数人が、共同不法行為として民法第719条により各自連帯して損害賠償の責任を負う場合、その1人に対する履行の請求は、他の加害者に対してはその効力を有しない。
- 不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。
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正解は4番
肢ごとの解説
◯肢1
正しい。不法行為による損害賠償債務は、催告を要することなく、損害の発生と同時に履行遅滞に陥る(判例)。したがって、不法行為の時以降、完済に至るまでの遅延損害金の支払を要する。本肢は正しい。
根拠:民法709条・判例
◯肢2
正しい。不法行為によって名誉を毀損された被害者の慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合であっても、当然に相続の対象となる(判例)。本肢は正しい。
根拠:民法711条・判例(最大判昭42.11.1)
◯肢3
正しい。共同不法行為者が各自連帯して負う損害賠償債務は、いわゆる不真正連帯債務であり、そのうちの一人に対する履行の請求は、他の加害者に対してその効力を及ぼさない(相対的効力)。本肢は正しい。
根拠:民法719条・判例
×肢4
誤り。不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は5年間)行使しないとき、又は不法行為の時から20年間行使しないときに、時効によって消滅する(民法724条・724条の2)。「権利を行使することができることとなった時から10年」とする本肢は誤りであり、本問の正解である。
根拠:民法724条
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。