問題
担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 建物の建築工事の費用について、当該工事の施工を行った者が先取特権を行使するためには、あらかじめ、債務者である建築主との間で、先取特権の行使について合意しておく必要がある。
- 建物の賃借人が賃貸人に対して造作買取代金債権を有している場合には、造作買取代金債権は建物に関して生じた債権であるので、賃借人はその債権の弁済を受けるまで、建物を留置することができる。
- 質権は、占有の継続が第三者に対する対抗要件と定められているため、動産を目的として質権を設定することはできるが、登記を対抗要件とする不動産を目的として質権を設定することはできない。
- 借地人が所有するガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した場合、当該建物の従物である地下のタンクや洗車機が抵当権設定当時に存在していれば、抵当権の効力はこれらの従物に及ぶ。
正解と解説を見る
正解は4番
肢ごとの解説
×肢1
誤り。不動産工事の先取特権は、法律上当然に成立する法定担保物権であり(民法327条)、その成立に債務者との合意は必要でない。ただし、その効力を保存するためには、工事を始める前に費用の予算額を登記しなければならない(338条1項)。合意しておく必要があるとする本肢は誤りである。
根拠:民法327条・338条
×肢2
誤り。判例は、建物賃借人の有する造作買取代金債権は、造作に関して生じた債権であって、建物に関して生じた債権とはいえないから、賃借人はこの債権を被担保債権として建物を留置することはできないとしている(民法295条、判例)。本肢は誤りである。
根拠:民法295条・判例(最判昭29.1.14)
×肢3
誤り。質権は動産のみならず不動産を目的として設定することもできる(不動産質。民法356条以下)。不動産質権の対抗要件は登記である(177条)。したがって、不動産を目的として質権を設定できないとする本肢は誤りである。
根拠:民法356条・362条
◯肢4
正しい。抵当権の効力は、抵当権設定当時に存在した抵当不動産の従物にも及ぶ(民法370条、87条2項、判例)。ガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した当時、その従物である地下のタンクや洗車機が存在していれば、抵当権の効力はこれらに及ぶ。本肢が本問の正解である。
根拠:民法370条・87条2項・判例
この論点をくり返し解く「抵当権」を含む権利関係の肢を、肢別ドリルで◯×形式で演習できます。年度をまたいで一気に鍛えられます。
肢別ドリルで解く →仕上げにPR
過去問がひと通り回ったら、本番と同じ2時間・50問を一度通しで解いておくと、当日の時間切れによる失点がはっきり減ります。
※ 楽天アフィリエイトによる広告(PR)です。価格・在庫は変動する場合があります。
※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。