Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 元本の確定前に、被担保債権の範囲を変更するには、後順位の抵当権者がいる場合は、その者の承諾を得なければならない。
- 元本の確定前に、B信用金庫から、被担保債権の範囲に属する個別債権の譲渡を受けた者は、確定日付のある証書でAに対し債権譲渡通知を行っておけば、その債権について根抵当権を行使できる。
- B信用金庫は、確定した元本が極度額以下であれば、その元本に係る最後の2年分の約定金利については、極度額を超えても、根抵当権を行使できる。
- Aが友人CのためにB信用金庫との間で保証契約を締結し保証債務を負担した場合、B信用金庫のAに対するこの保証債権は、「信用金庫取引による債権」に含まれ、この根抵当権で担保される。
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誤り。元本の確定前に根抵当権の被担保債権の範囲を変更するには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない(民法398条の4第2項)。極度額の範囲内での変更であり後順位者に不利益を及ぼさないからである。本肢は誤りである。
誤り。元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない(民法398条の7第1項)。確定日付のある証書で債権譲渡の通知をしても、根抵当権を行使することはできないから、本肢は誤りである。
誤り。根抵当権は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務不履行による損害賠償の全部について、極度額を限度として担保する(民法398条の3第1項)。普通抵当権のように利息等を最後の2年分に限る制限(375条)は根抵当権には適用されない一方、極度額を超えて行使することはできない。「極度額を超えても行使できる」とする本肢は誤りである。
正しい。被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」と定めた場合、信用金庫取引によって生じた債権であれば、Aが友人Cのために負担した保証債務(B信用金庫のAに対する保証債権)もこれに含まれ、根抵当権で担保される(判例)。本肢が本問の正解である。
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