AがBに対して1,000万円の貸金債権を有していたところ、Bが相続人C及びDを残して死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- Cが単純承認を希望し、Dが限定承認を希望した場合には、相続の開始を知った時から3か月以内に、Cは単純承認を、Dは限定承認をしなければならない。
- C及びDが相続開始の事実を知りながら、Bが所有していた財産の一部を売却した場合には、C及びDは相続の単純承認をしたものとみなされる。
- C及びDが単純承認をした場合には、法律上当然に分割されたAに対する債務を相続分に応じてそれぞれが承継する。
- C及びDが相続放棄をした場合であっても、AはBの相続財産清算人の選任を請求することによって、Bに対する貸金債権の回収を図ることが可能となることがある。
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誤り。限定承認は、相続人が数人あるときは、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法923条)。したがって、Cが単純承認、Dが限定承認というように、共同相続人ごとに承認の態様を分けることはできない。「Cは単純承認を、Dは限定承認をしなければならない」とする本肢は誤りであり、本問の正解である。
正しい。相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされる(法定単純承認。民法921条1号)。C及びDが相続開始を知りながらBの財産の一部を売却すれば、単純承認をしたものとみなされる。本肢は正しい。
正しい。金銭債務のような可分の債務は、相続開始とともに法律上当然に分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継する(判例)。したがって、C及びDは、Aに対する1,000万円の債務を各相続分に応じて承継する。本肢は正しい。
正しい。相続人全員が相続を放棄すると相続人のあることが明らかでない状態となり、利害関係人である債権者Aは、相続財産清算人(令和5年4月施行の改正前は「相続財産管理人」)の選任を家庭裁判所に請求することができる(民法952条)。清算手続を通じて貸金債権の回収を図ることが可能となる場合がある。本肢は正しい。
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