AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、A自らが買主となって売買契約を締結したときは、Aは甲土地の所有権を当然に取得する。
- Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、AがCの代理人となってBC間の売買契約を締結したときは、Cは甲土地の所有権を当然に取得する。
- Aが無権代理人であってDとの間で売買契約を締結した後に、Bの死亡によりAが単独でBを相続した場合、Dは甲土地の所有権を当然に取得する。
- Aが無権代理人であってEとの間で売買契約を締結した後に、Aの死亡によりBが単独でAを相続した場合、Eは甲土地の所有権を当然に取得する。
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誤り。同一の法律行為について、当事者の一方が相手方の代理人となること(自己契約)は、代理権を有しない者がした行為(無権代理)とみなされる(民法108条1項本文)。売却の代理権を与えられただけで自己契約まで許されたことにはならないから、本人Bの許諾がない限り、Aが自ら買主となった契約の効果はBに帰属せず、Aは所有権を当然には取得しない。
誤り。同一の法律行為について当事者双方の代理人となること(双方代理)も、無権代理とみなされる(民法108条1項本文)。AはBの売却代理人であると同時にCの購入代理人となっているから、本人Bの許諾がない限り、その契約の効果は本人に帰属せず、Cは所有権を当然には取得しない。
正しい。無権代理人が本人を単独で相続した場合、無権代理人は本人の資格において追認を拒絶することが信義則上許されず、無権代理行為は当然に有効となる(判例)。したがって、AがBを単独相続した本肢では、AD間の売買は当然に有効となり、Dは甲土地の所有権を取得する。本肢が本問の正解である。
誤り。本人が無権代理人を相続した場合には、本人は被相続人(無権代理人)の無権代理行為の追認を拒絶することができ、無権代理行為は当然には有効とならない(判例)。相続によって本人自身が無権代理行為をしたことにはならないからである。したがって、BがAを相続しても、Eは甲土地の所有権を当然に取得するわけではない。
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