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宅建試験 平成20年(2008年) 本試験問題

平成20年 問7 委任

権利関係誤っているものはどれか
問題

注意義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. ある物を借り受けた者は、無償で借り受けた場合も、賃料を支払う約束で借り受けた場合も、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
  2. 委任の受任者は、報酬を受けて受任する場合も、無報酬で受任する場合も、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
  3. 商人ではない受寄者は、報酬を受けて寄託を受ける場合も、無報酬で寄託を受ける場合も、自己の財産と同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う。
  4. 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
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正解は3
改題令和5年4月1日施行の改正民法により、相続放棄者の管理義務を定める940条1項が改められた。旧規定は『放棄によって相続人となった者が管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもってその財産の管理を継続しなければならない』としていたが、現行法は、放棄の時に相続財産を『現に占有しているとき』に限り、引渡しまで自己の財産と同一の注意をもって『保存』する義務を負う旨に改められた。これに伴い肢4を現行940条1項の内容(正しい肢)に改めた。誤りの肢が肢3である点、正解が肢3である点に変更はない。
肢ごとの解説
肢1

正しい。特定物の引渡しを目的とする債務を負う者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもってその物を保存しなければならない(民法400条)。使用貸借の借主も賃貸借の借主も、借用物を返還する義務を負う特定物債務者であるから、無償・有償を問わず善管注意義務を負う。本肢は正しい。

根拠:民法400条
肢2

正しい。受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う(民法644条)。委任は無償を原則とするが(648条1項)、無報酬であっても善管注意義務の程度が軽減されることはない。本肢は正しい。

根拠:民法644条
×肢3

誤り。無報酬で寄託を受けた受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって寄託物を保管すれば足りる(民法659条)。しかし、報酬を受けて寄託を受ける受寄者は、善良な管理者の注意をもって寄託物を保管しなければならない(民法400条)。したがって、有償・無償を問わず自己の財産と同一の注意で足りるとする本肢は誤りであり、本問の正解である。

根拠:民法659条・400条
肢4

正しい。相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない(民法940条1項)。本肢はこれを正しく述べている。

根拠:民法940条1項

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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。

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