宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合のAの責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
- 売買契約で、宅地建物取引業者Aが種類又は品質に関する契約不適合を担保する責任を一切負わない旨を合意したとしても、Aは甲土地の引渡しの日から2年間は、当該契約不適合を担保する責任を負わなければならない。
- 甲土地に設定されている抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bが甲土地に抵当権が設定されていることを知っていたとしても、BはAB間の売買契約を解除することができる。
- Bが種類又は品質に関する契約不適合を理由として責任を追及する場合には、その不適合の存在を知った時から1年以内に、宅地建物取引業者Aに対しその旨を通知していればよく、1年以内に訴訟を提起して責任を追及するまでの必要はない。
- 売買契約で、宅地建物取引業者Aは甲土地の引渡しの日から2年間だけ契約不適合を担保する責任を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった契約不適合については、担保責任に基づく損害賠償請求権が時効で消滅するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。
正解と解説を見る
誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、種類又は品質に関する契約不適合の担保責任について、通知期間を目的物の引渡しの日から2年以上とする特約を除き、民法の規定より買主に不利な特約をしてはならず、これに反する特約は無効となる(宅地建物取引業法40条)。「一切責任を負わない」旨の特約は買主に不利で無効であり、この場合は民法の原則に戻る。民法では、買主が不適合を知った時から1年以内に通知すれば足りる(566条)のであって、『引渡しの日から2年間責任を負う』という帰結にはならないから、本肢は誤りであり、本問の正解である。
正しい。買主が売買の目的である権利の全部を第三者に奪われるなど、売主の債務不履行により契約をした目的を達することができない場合には、買主は催告をすることなく契約を解除することができる(民法542条1項)。買主が抵当権の存在を知っていたか否かは解除の可否に影響しないから、抵当権の実行により所有権を失ったBは、悪意であっても売買契約を解除することができる。
正しい。売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、買主は、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば、担保責任を追及することができる(民法566条本文)。通知すれば足り、1年以内に訴訟を提起して権利を行使することまでは必要でない。本肢は正しい。
正しい。買主が不適合を知った時から1年以内に通知しなければならないとの制限は、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは適用されない(民法566条ただし書)。したがって、Aが知りながらBに告げなかった不適合については、通知期間を2年とする特約にもかかわらず、一般の消滅時効が完成するまでBは損害賠償を請求できる。本肢は正しい。
この論点をくり返し解く「売買」を含む権利関係の肢を、肢別ドリルで◯×形式で演習できます。年度をまたいで一気に鍛えられます。
肢別ドリルで解く →過去問がひと通り回ったら、本番と同じ2時間・50問を一度通しで解いておくと、当日の時間切れによる失点がはっきり減ります。
※ 楽天アフィリエイトによる広告(PR)です。価格・在庫は変動する場合があります。