宅建・不動産資格チャンネル
宅建試験 平成20年(2008年) 本試験問題

平成20年 問12 相続(遺留分)

権利関係正しいものはどれか
問題

Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。
  2. Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。
  3. Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後でも、Bは、遺留分侵害額に相当する金銭の支払をCに対して請求することができる。
  4. Bの遺留分侵害額請求権は、Bが相続の開始及び遺留分を侵害する遺贈があったことを知った時から3年間行使しないときは時効によって消滅し、相続開始の時から20年を経過したときも同様に消滅する。
正解と解説を見る
正解は3
改題平成30年改正相続法(令和元年7月1日施行)により、遺留分制度が見直され、従来の物権的効果を伴う『遺留分減殺請求権』が、金銭債権としての『遺留分侵害額請求権』(民法1046条)に改められた。出題当時の各肢は『減殺請求』『価額弁償』を前提としていたが、これを現行法の金銭債権としての遺留分侵害額請求を前提とする内容に改めた。特に肢4は、旧法下の『遺留分権利者からの価額弁償請求の可否』を問うものであったが、現行法では侵害額請求自体が金銭請求であってこの枠組みが失われたため、遺留分侵害額請求権の消滅時効(現1048条)に関する現行法上の誤りの肢に改めた。登記後でも請求できる(肢3が正しい)という結論及び正解が肢3である点に変更はない。
肢ごとの解説
×肢1

誤り。遺留分を侵害する遺贈や贈与も、それ自体が当然に無効となるわけではない。遺留分権利者は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(遺留分侵害額請求権。民法1046条1項)にとどまる。したがって、Bの遺留分を侵害するAの遺言が「その限度で当然に無効」となるとする本肢は誤りである。

根拠:民法1046条
×肢2

誤り。相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる(民法1049条1項)。被相続人による事実上の強要を防ぐ趣旨である。したがって、家庭裁判所の許可を受けずに、A及びCに対して直接書面で放棄の意思表示をしても、その放棄は効力を生じない。本肢は誤りである。

根拠:民法1049条1項
肢3

正しい。遺留分侵害額請求権は、遺贈や贈与の目的物について所有権移転登記がされた後であっても行使することができる。遺留分侵害額請求は、受遺者等に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払を求める金銭債権の行使であって(民法1046条1項)、目的物の登記の有無に左右されない。したがって、Cへ所有権移転登記がされた後でも、BはCに対し遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる。本肢が本問の正解である。

根拠:民法1046条1項
×肢4

誤り。遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも、同様である(民法1048条)。「3年間」「20年」とする本肢は期間を誤っており、誤りである。

根拠:民法1048条

この論点をくり返し解く「相続(遺留分)」を含む権利関係の肢を、肢別ドリルで◯×形式で演習できます。年度をまたいで一気に鍛えられます。

肢別ドリルで解く →
仕上げにPR

過去問がひと通り回ったら、本番と同じ2時間・50問を一度通しで解いておくと、当日の時間切れによる失点がはっきり減ります。

本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士 2026年度版 令和8年度版・予想模試 全5回 本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士 ¥1,760 税込 楽天で見る →

予想模試8冊の比較・選び方を見る →

※ 楽天アフィリエイトによる広告(PR)です。価格・在庫は変動する場合があります。

※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。

← 平成20年 問一覧へ