AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Bが自らを「売主Aの代理人B」ではなく、「売主B」と表示して、買主Cとの間で売買契約を締結した場合には、BがAの代理人として契約していることをCが知っていても、売買契約はBC間に成立する。
- Bが自らを「売主Aの代理人B」と表示して買主Dとの間で締結した売買契約について、Bが未成年者であったとしても、AはBが未成年者であることを理由に取り消すことはできない。
- Bは、自らが選任及び監督するのであれば、Aの意向にかかわらず、いつでもEを復代理人として選任して売買契約を締結させることができる。
- Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人にもなって、売買契約を締結することができる。
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誤り。代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、原則として代理人自身のためにしたものとみなされるが、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人に対して直接に効力を生ずる(民法100条ただし書、99条1項)。CはBがAの代理人として契約していることを知っていたのであるから、売買契約はBC間ではなく本人Aと買主Cとの間に成立する。
正しい。制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に帰属し代理人自身が不利益を受けるおそれがないうえ、制限行為能力者を代理人に選任した本人がその不利益を負担すべきだからである。したがって、Bが未成年者であっても、Aはそれを理由に売買契約を取り消すことはできない。本肢が本問の正解である。
誤り。委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない(民法104条)。自ら選任及び監督をするというだけで、本人の意向にかかわらずいつでも復代理人を選任できるわけではない。なお、法定代理人は自己の責任で自由に復代理人を選任できる(105条)点と対比される。
誤り。同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為(双方代理)は、代理権を有しない者がした行為(無権代理)とみなされる。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法108条1項)。本人に損失が発生するかどうかにかかわらず、本人の許諾がなければ双方代理は許されないから、本肢は誤りである。
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