宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で、建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金5,000万円)を締結した。当該建物についてBが所有権の登記をしていない場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業法に定める手付金等の保全措置を講じた上で、Bから500万円を手付金として受領した。後日、両者が契約の履行に着手していない段階で、Bから手付放棄による契約解除の申出を受けたが、Aは理由なくこれを拒んだ。
- 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業法に定める手付金等の保全措置を講じずに、Bから500万円を手付金として受領したが、当該措置を講じないことについては、あらかじめBからの書面による承諾を得ていた。
- 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業法に定める手付金等の保全措置を講じた上で、Bから500万円を手付金として受領し、その後中間金として250万円を受領した。
- 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業法に定める手付金等の保全措置を講じた上で、Bから2,000万円を手付金として受領した。
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違反する。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約において手付が交付されたときは、その相手方(売主)が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して契約の解除をすることができる(宅建業法39条2項、民法557条1項)。Aは履行に着手していないのであるから、Bの手付放棄による契約解除を拒むことはできない。理由なくこれを拒んだAの行為は宅地建物取引業法に違反する。
違反する。宅地建物取引業者は、未完成物件について、代金の額の5%又は1,000万円を超える手付金等を受領しようとするときは、あらかじめ手付金等の保全措置を講じなければ、これを受領してはならない(宅建業法41条1項)。代金5,000万円の5%は250万円であり、500万円はこれを超えるから保全措置が必要である。この保全措置は買主保護のための強行規定であり、買主の書面による承諾があっても省略することはできない。したがって本肢は宅地建物取引業法に違反する。
違反しない。未完成物件については、手付金等の額が代金の額の5%(250万円)又は1,000万円を超える場合に保全措置が必要となる。Aは手付金500万円と中間金250万円の合計750万円を受領するが、いずれも保全措置を講じたうえで受領している。また、手付金500万円は代金5,000万円の10分の2(1,000万円)を超えていないから、手付の額の制限(39条1項)にも反しない。したがって本肢は宅地建物取引業法に違反せず、本問の正解である。
違反する。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約においては、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない(宅建業法39条1項)。代金5,000万円の10分の2は1,000万円であるから、2,000万円の手付金を受領することはできない。手付金等の保全措置を講じたとしても、手付の額そのものの上限(10分の2)を超えることはできないから、本肢は宅地建物取引業法に違反する。
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