宅地建物取引業者Aが行う建物の売買又は売買の媒介に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aは、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買契約は成立しなかった。
- 建物の売買の媒介に際し、買主から売買契約の申込みを撤回する旨の申出があったが、宅地建物取引業者Aは、申込みの際に受領した預り金を既に売主に交付していたため、買主に返還しなかった。
- 宅地建物取引業者Aは、自ら売主となる建物(代金5,000万円)の売買に際し、あらかじめ買主の承諾を得た上で、代金の30%に当たる1,500万円の手付金を受領した。
- 宅地建物取引業者Aは、自ら売主として行う中古建物の売買に際し、当該建物の契約不適合責任について、Aがその責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約をした。
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違反する。宅地建物取引業者等は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為をしてはならない(宅建業法47条3号)。この禁止は、誘引する行為それ自体を対象とするものであり、実際に契約が成立したかどうかを問わない。したがって、売買契約が成立しなかったとしても、手付の貸付けを告げて契約締結を勧誘した時点で違反となる。
違反する。宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回に際し、既に受領した預り金を返還することを拒む行為をしてはならない(宅建業法47条の2第3項、施行規則16条の11)。既に預り金を売主に交付していたという業者側の事情は、返還を拒む正当な理由とはならない。したがって、預り金の返還を拒んだ本肢は宅地建物取引業法に違反する。
違反する。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約においては、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない(宅建業法39条1項)。代金5,000万円の10分の2は1,000万円であるから、その30%に当たる1,500万円の手付金を受領することはできない。買主の承諾があっても、この上限を超えることはできないから、本肢は宅地建物取引業法に違反する。
違反しない。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約において、種類又は品質に関する契約不適合を担保すべき責任に関し、民法566条の通知期間について目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をすることは認められている(宅建業法40条1項)。引渡しの日から2年間とする特約は、この「引渡しの日から2年以上」に当たるから有効であり、宅地建物取引業法に違反しない。本肢が本問の正解である。
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