AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。
- Aが死亡した後であっても、BがAの死亡の事実を知らず、かつ、知らないことにつき過失がない場合には、BはAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。
- Bが死亡しても、Bの相続人はAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。
- 17歳であるBがAの代理人として甲土地をCに売却した後で、Bが17歳であることをCが知った場合には、CはBが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことができる。
- Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。
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誤り。代理権は、本人の死亡によって消滅する(民法111条1項1号)。代理人が本人の死亡を知らず、知らないことに過失がなかったとしても代理権が存続することはない。なお、相手方が代理権の消滅を知らなかった場合には代理権消滅後の表見代理(112条)の問題となり得るが、本問では表見代理は成立しないものとされている。
誤り。代理権は、代理人の死亡、代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたことによって消滅する(民法111条1項2号)。代理権は本人と代理人との信頼関係に基づくものであるから一身専属的であり、相続の対象とならない。したがってBの相続人がAの代理人となることはない。
誤り。制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に帰属し代理人自身が不利益を受けるおそれがないうえ、制限行為能力者をあえて代理人に選んだ本人がその不利益を負担すべきだからである。したがってCは、Bが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことはできない。
正しい。同一の法律行為について相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(民法108条1項)。売主Aと買主Dの双方があらかじめ承諾している以上、双方代理であってもこの売買契約は有効である。本肢が本問の正解である。
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