借地借家法第23条の事業用定期借地権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であれば、従業員の社宅として従業員の居住の用に供するときであっても、事業用定期借地権を設定することができる。
- 存続期間を10年以上20年未満とする短期の事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によらなくても、書面又は電磁的記録によって適法に締結することができる。
- 事業用定期借地権が設定された借地上にある建物につき賃貸借契約を締結する場合、建物を取り壊すこととなるときは建物賃貸借契約が終了する旨を定めることができるが、その特約は公正証書によってしなければならない。
- 事業用定期借地権の存続期間の満了によって、その借地上の建物の賃借人が土地を明け渡さなければならないときでも、建物の賃借人がその満了を1年前までに知らなかったときは、建物の賃借人は土地の明渡しにつき相当の期限を裁判所に許与される場合がある。
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誤り。事業用定期借地権は、専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とする場合に設定することができる(借地借家法23条1項・2項)。従業員の社宅は、企業が事業のために保有するものであっても、実際には従業員が居住の用に供する建物であるから「居住の用に供するもの」に当たり、事業用定期借地権を設定することはできない。
誤り。事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない(借地借家法23条3項)。存続期間が10年以上30年未満のもの(2項)であるか30年以上50年未満のもの(1項)であるかを問わず、公正証書という厳格な要式が要求される。他の定期借地権等が「書面(電磁的記録を含む。)」で足りるのと異なる点であり、繰り返し問われている。
誤り。法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる(借地借家法39条1項)。この特約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面(又は電磁的記録)によってしなければならないが(同条2項・3項)、公正証書によることまでは求められていない。公正証書が必要なのは肢2の事業用定期借地権の設定契約である。
正しい。借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる(借地借家法35条1項)。借地権の消滅を知らずに建物を借りた賃借人に不測の損害が生じないようにする趣旨である。本肢が本問の正解である。
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