農地法についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 農地を相続した場合、その相続人は、農地法第3条の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
- 宅地に転用する目的で市街化区域外の農地を購入する場合は、農地の権利移動に係る農地法第3条の許可のほか、農地転用に係る農地法第4条の都道府県知事等の許可を受ける必要がある。
- 会社の代表者が、その会社の業務に関し、法の規定に違反して転用行為をした場合は、その代表者が罰せられるのみならず、その会社も1億円以下の罰金刑が科せられる。
- 賃貸借の存続期間については、民法上は50年を超えることができないこととされており、農地の賃貸借についても、50年までの存続期間が認められる。
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正しい。相続、遺産の分割、包括遺贈、相続人に対する特定遺贈等により農地について権利を取得する場合には、農地法3条1項の許可を受ける必要がない(同項12号等)。もっとも、この場合には遅滞なく、その農地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない(同法3条の3)。許可制の対象外としつつ、権利者の異動を農業委員会が把握できるようにする趣旨である。
誤り。農地を農地以外のものにするため、所有権を移転し、又は使用収益権を設定・移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可(農地法5条1項)を受けなければならない。この5条許可は、権利移動を規制する3条と転用を規制する4条の両方の性質を併せ持つものであるから、5条許可を受ければ足り、3条許可や4条許可を重ねて受ける必要はない。3条1項本文のただし書も「第5条第1項本文に規定する場合」を3条許可の対象から除いている。したがって「3条の許可のほか4条の許可を受ける必要がある」とする本肢は誤りであり、本問の正解である。なお、市街化区域内の農地であれば、あらかじめ農業委員会に届け出ることで5条許可も不要となる(5条1項6号)。
正しい。法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、農地法4条1項又は5条1項に係る違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1億円以下の罰金刑が科される(農地法67条1号=両罰規定)。法人による無許可転用が大規模に行われることを抑止するため、行為者本人に対する罰金(3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金=64条)とは別に、法人に対しては特に重い罰金額が定められている。なお、3条1項違反については法人に対しても各本条の罰金刑にとどまる(67条2号)。
正しい。賃貸借の存続期間は50年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は50年とされる(民法604条1項)。農地の賃貸借についても、現行法上その存続期間を制限する特別の規定は置かれていないから、民法の原則により50年までの存続期間が認められる。
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