宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結するに当たり、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置が必要な場合における次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
正解と解説を見る
誤り。宅地建物取引業者が保全措置を講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができる(宅建業法41条4項)。買主に法律上認められた支払拒絶権であるから、Bが中間金を支払わないことは債務不履行に当たらず、Aはこれを理由に契約を解除することはできない。
誤り。保証委託契約は、銀行その他政令で定める金融機関又は国土交通大臣が指定する者との間で締結するものでなければならない(宅建業法41条1項1号・2項)。宅地建物取引業者自身の代表取締役は、これらの保証人となり得る者に当たらないから、そのような契約を締結しても保全措置を講じたことにはならない。したがって代金の額の20%に相当する手付金を受領することはできない。なお、手付の額自体も代金の額の10分の2を超えることができない(39条1項)。
誤り。保証委託契約に基づく保証は、少なくとも宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の「全部」を保証するものでなければならない(宅建業法41条2項1号)。保全措置を要する額を超えた部分についてのみ保証する内容では保全措置として認められないから、Aはその額を超える手付金を受領することはできない。
誤り。宅地建物取引業者は、保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない(宅建業法41条1項)。受領後遅滞なく保全措置を講じる予定である旨をあらかじめ説明したとしても、措置を講じる前に受領することは許されない。以上より、ア〜エの四つすべてが誤りであるから、正解は「四つ」である。
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