AがBに対して1,000万円の代金債権を有しており、Aがこの代金債権をCに譲渡した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- AB間の代金債権について当事者が譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしていた場合において、Cがその意思表示の存在を知らないことにつき重大な過失があるときであっても、Cはこの代金債権を取得することができる。
- AがBに対して債権譲渡の通知をすれば、その譲渡通知が確定日付によるものでなくても、CはBに対して自らに弁済するように主張することができる。
- BがAに対して期限が到来した1,000万円の貸金債権を有していても、AがBに対して確定日付のある譲渡通知をした場合には、BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができない。
- AがBに対する代金債権をDに対しても譲渡し、Cに対する債権譲渡もDに対する債権譲渡も確定日付のある証書でBに通知した場合には、CとDの優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知がBに到達した日時の先後で決まる。
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正しい。当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない(民法466条2項)。譲受人が悪意又は重過失であるときは、債務者がその債務の履行を拒み、譲渡人に対する弁済等をもって譲受人に対抗できるにとどまる(同条3項)。したがって、重過失のあるCであっても代金債権自体は取得することができる。
正しい。債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない(民法467条1項)。債務者に対する対抗要件としては単なる通知で足り、確定日付は必要でない。確定日付のある証書が要求されるのは債務者以外の第三者に対抗する場合である(同条2項)。
誤り。債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる(民法469条1項)。Bは譲渡通知の前からAに対して期限の到来した貸金債権を有していたのであるから、Cからの代金債権の請求に対して、この貸金債権による相殺を主張することができる。本肢が本問の正解である。
正しい。同一の債権について複数の譲受人がいずれも確定日付のある証書による通知を備えた場合、その優劣は確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した日時(又は債務者の承諾の日時)の先後によって決まる(民法467条2項、判例=到達時説)。債務者の認識を基準として第三者が債権の帰属を判断できるようにする趣旨である。
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