AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の記述のうち、AのBに対する債権が契約に基づいて発生するものはどれか。
- 青信号で横断歩道を歩いていたAが、赤信号を無視した自動車にはねられてケガをした。運転者はBに雇用されていて、勤務時間中、仕事のために自動車を運転していた。Aが治療費として病院に支払った50万円の支払いをBに対して求める場合。
- Aは、B所有の甲不動産の売却について、売買契約が締結されるに至った場合には売買代金の2%の報酬の支払いを受けるとして、Bから買主のあっせんの依頼を受けた。Aがあっせんした買主Cとの間で1,000万円の売買契約が成立したのでAがBに対して報酬として20万円の支払いを求める場合。
- Bは、B所有の乙不動産をAに売却し、代金1,000万円の受領と同時に登記を移転して引渡しも終えていた。しかし、Bは、錯誤を理由に売買契約を取り消すとして、乙不動産を返還し、登記を戻すようにAに求めた。これに対し、AがBに対して、1,000万円(代金相当額)の返還を求める場合。
- BはDに200万円の借金があり、その返済に困っているのを見かねたAが、Bから頼まれたわけではないが、Bに代わってDに対して借金の返済を行った。Bの意思に反する弁済ではないとして、AがDに支払った200万円につき、AがBに対して支払いを求める場合。
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契約に基づくものではない。ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う(民法715条1項=使用者責任)。AとBとの間には何らの契約関係もなく、AのBに対する治療費相当額の債権は不法行為に基づいて発生するものである。
契約に基づくものである。AはBから買主のあっせん(媒介)の依頼を受け、売買契約が成立した場合に報酬を支払う旨の合意をしている。これはAB間の媒介契約(準委任契約)であり、Aの報酬請求権はこの契約に基づいて発生する。本肢が本問の正解である。
契約に基づくものではない。売買契約が取り消されると、その行為は初めから無効であったものとみなされ(民法121条)、給付を受けた者は原状回復義務を負う(121条の2第1項)。AがBに求める代金相当額の返還請求権は、契約そのものから生ずるものではなく、法律の規定による不当利得の返還請求権である。
契約に基づくものではない。義務なく他人のために事務の管理を始めた者は事務管理者として、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対しその償還を請求することができる(民法697条・702条1項)。Aは頼まれていないのにBの債務を弁済したのであるから、その費用償還請求権は契約ではなく事務管理に基づいて発生する。
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