宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される金銭の額については説明しなければならないが、当該金銭の授受の目的については説明する必要はない。
- 昭和60年10月1日に新築の工事に着手し、完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が指定確認検査機関による耐震診断を受けたものであっても、その内容は説明する必要はない。
- 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を説明しなければならないが、当該建物の貸借の媒介を行う場合においては、説明する必要はない。
- 自ら売主となって建物の売買契約を締結する場合、買主が宅地建物取引業者でないときは、当該建物の引渡時期を説明する必要がある。
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誤り。代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭がある場合には、その額のみならず「当該金銭の授受の目的」もあわせて説明しなければならない(宅建業法35条1項7号)。手付金なのか敷金なのか礼金なのかによって返還の有無等が異なるため、目的の説明が重要である。
正しい。建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が、指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明しなければならない(宅建業法35条1項14号、施行規則16条の4の3第5号)。本肢の建物は昭和60年10月1日に新築の工事に着手しており、昭和56年6月1日以降の着工であるから、そもそもこの説明義務の対象外である。新耐震基準のもとで建築確認を受けているためである。本肢が本問の正解である。
誤り。当該宅地又は建物が造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない(宅建業法35条1項14号、施行規則16条の4の3第1号)。この事項は同条柱書により宅地の貸借・建物の貸借の場合も説明対象に含まれているから、貸借の媒介であっても説明が必要である。したがって「説明する必要はない」とする本肢は誤りである。なお、宅地造成等工事規制区域内・特定盛土等規制区域内である旨は、法35条1項2号・施行令3条1項27号に基づく「法令に基づく制限」である。法令上の制限は、宅地の貸借については所有者の権限に係るもの(先買い・届出等)を除いて原則として説明を要し(施行令3条2項)、建物の貸借については新住宅市街地開発法32条1項・新都市基盤整備法51条1項・流通業務市街地の整備に関する法律38条1項に基づく制限だけが説明対象とされる(同条3項)。したがって宅地造成等工事規制区域・特定盛土等規制区域内である旨は、宅地の貸借では説明を要するが、建物の貸借では説明を要しない。これに対し造成宅地防災区域は法令上の制限ではなく法35条1項14号の事項であり、宅地・建物のいずれの貸借でも説明を要する。
誤り。建物の引渡しの時期は、37条書面の必要的記載事項である(宅建業法37条1項4号)が、35条の重要事項の説明事項には含まれていない。買主が宅地建物取引業者であるかどうかにかかわらず、35条の説明事項ではないから本肢は誤りである。
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