次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。 (判決文) 期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解するのが相当であり、保証人は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを免れないというべきである。
- 保証人が期間の定めのある建物の賃貸借の賃借人のために保証契約を締結した場合は、賃貸借契約の更新の際に賃貸人から保証意思の確認がなされていなくても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情がない限り、更新後の賃借人の債務について保証する旨を合意したものと解される。
- 期間の定めのある建物の賃貸借の賃借人のための保証人が更新後の賃借人の債務についても保証の責任を負う趣旨で合意した場合には、賃借人の未払賃料が1年分に及んだとしても、賃貸人が保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる事情がなければ、保証人は当該金額の支払義務を負う。
- 期間の定めのある建物の賃貸借の賃借人のための保証人が更新後の賃借人の債務についても保証の責任を負う場合、更新後の未払賃料について保証人の責任は及ぶものの、更新後に賃借人が賃借している建物を故意又は過失によって損傷させた場合の損害賠償債務には保証人の責任は及ばない。
- 期間の定めのある建物の賃貸借の賃借人のための保証人が更新後の賃借人の債務についても保証の責任を負う旨の合意をしたものと解される場合であって、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められるときには、保証人は更新後の賃借人の債務について保証の責任を負わない。
正解と解説を見る
正しい。判決文は、賃借人のために保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証する趣旨で合意されたものと解するのが相当であるとしている。更新の際に改めて保証意思の確認がされていなくてもよい。なお、令和2年4月施行の改正民法により、個人が保証人となる根保証契約(賃貸借の保証を含む)では極度額を定めなければ効力を生じない(465条の2)点に注意を要する。
正しい。判決文は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、保証人は更新後の債務について責めを免れないとしている。未払賃料が1年分に及んだというだけで当然に信義則違反となるわけではないから、そのような事情がなければ保証人は支払義務を負う。
誤り。判決文は「更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務」について保証の責めを負うとしており、債務の種類を未払賃料に限定していない。賃借人が故意又は過失によって建物を損傷させた場合の損害賠償債務も、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務であるから、保証人の責任が及ぶ。責任が及ばないとする本肢は判決文に反し誤りである。
正しい。判決文は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除く、としている。裏を返せば、信義則に反すると認められるときには、保証人は更新後の債務について保証の責任を負わないことになる。
この論点をくり返し解く「保証」を含む権利関係の肢を、肢別ドリルで◯×形式で演習できます。年度をまたいで一気に鍛えられます。
肢別ドリルで解く →過去問がひと通り回ったら、本番と同じ2時間・50問を一度通しで解いておくと、当日の時間切れによる失点がはっきり減ります。
※ 楽天アフィリエイトによる広告(PR)です。価格・在庫は変動する場合があります。