宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、民法及び宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Cが建物の所有権を有している場合、AはBとの間で当該建物の売買契約を締結してはならない。ただし、AがCとの間で、すでに当該建物を取得する契約(当該建物を取得する契約の効力の発生に一定の条件が付されている。)を締結している場合は、この限りではない。
- Aは、Bとの間における建物の売買契約において、「AがBに対して契約不適合責任を負う期間は、建物の引渡しの日から1年間とする」旨の特約を付した。この場合、当該特約は無効となり、BがAに対して契約不適合責任を追及することができる期間は、当該建物の引渡しの日から2年間となる。
- Aは、Bから喫茶店で建物の買受けの申込みを受け、翌日、同じ喫茶店で当該建物の売買契約を締結した際に、その場で契約代金の2割を受領するとともに、残代金は5日後に決済することとした。契約を締結した日の翌日、AはBに当該建物を引き渡したが、引渡日から3日後にBから宅建業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除が書面によって通知された。この場合、Aは、契約の解除を拒むことができない。
- AB間の建物の売買契約における「宅建業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除の際に、AからBに対して損害賠償を請求することができる」旨の特約は有効である。
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誤り。宅建業者は、自己の所有に属しない宅地建物について自ら売主となる売買契約を締結できないのが原則だが、宅建業者が当該宅地建物を取得する契約(予約を含む)を締結しているときは例外的に締結できる(宅建業法33条の2第1号)。ただし、その取得契約の効力の発生に条件が付されているものは除かれる。停止条件付きの取得契約では確実に取得できるとは限らないため、なお自ら売主として売買契約を締結してはならない。
誤り。契約不適合責任について、目的物の種類・品質に関する不適合を通知すべき期間を引渡しの日から2年以上とする特約は有効だが、本肢の「引渡しの日から1年間」とする特約は買主に不利であり無効となる(宅建業法40条)。特約が無効となった場合は民法の原則(買主が不適合を知った時から1年以内に通知)に戻るのであって、「引渡しの日から2年間」となるわけではない。
正しい。喫茶店は事務所等以外の場所であり、クーリング・オフの対象となる。クーリング・オフができなくなるのは、買主が物件の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったときである(宅建業法37条の2第1項2号)。本肢では建物の引渡しは受けたが代金は2割しか支払っておらず、要件を満たさないから、Bはクーリング・オフでき、Aは解除を拒めない。
誤り。クーリング・オフによる解除がなされた場合、宅建業者は、それに伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない(宅建業法37条の2第1項)。これに反する特約で買主に不利なものは無効であるから、損害賠償を請求できる旨の特約は無効である。
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