問題
所有権の移転又は取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- Aの所有する甲土地をBが時効取得した場合、Bが甲土地の所有権を取得するのは、取得時効の完成時である。
- Aを売主、Bを買主としてCの所有する乙建物の売買契約が締結された場合、BがAの無権利について善意無過失であれば、AB間で売買契約が成立した時点で、Bは乙建物の所有権を取得する。
- Aを売主、Bを買主として、丙土地の売買契約が締結され、代金の完済までは丙土地の所有権は移転しないとの特約が付された場合であっても、当該売買契約締結の時点で丙土地の所有権はBに移転する。
- AがBに丁土地を売却したが、AがBの強迫を理由に売買契約を取り消した場合、丁土地の所有権はAに復帰し、初めからBに移転しなかったことになる。
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正解は4番
肢ごとの解説
×肢1
誤り。時効の効力はその起算日にさかのぼる(民法144条)。したがってBが所有権を取得するのは「完成時」ではなく、占有を開始した時(起算日)である。
根拠:民法144条・162条
×肢2
誤り。即時取得(民法192条)は動産についての制度であり、不動産には適用がない。他人物売買も契約としては有効に成立するが(民法561条)、Bが善意無過失でも契約成立時に所有権を取得することはなく、Aが所有者Cから権利を取得してBに移転する必要がある。
根拠:民法192条・561条
×肢3
誤り。所有権の移転時期は当事者の意思によって定めることができ、代金完済時に移転する旨の特約は有効である(判例)。特約があるのに契約締結時に移転するわけではない。
根拠:民法176条・判例
◯肢4
正しい。取り消された行為は初めから無効であったものとみなされる(民法121条)。強迫を理由に取り消せば、丁土地の所有権はAに復帰し、初めからBに移転しなかったことになる。
根拠:民法121条・96条1項
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。