A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
- DがAに対して履行の請求をした場合、その効力は、B及びCについても生じる。
- Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。
- Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。
- CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。
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誤り。連帯債務者の一人について生じた事由が他の連帯債務者にも効力を及ぼす(絶対的効力事由)のは、「履行・相殺・更改・混同」の4つだけと覚える。履行(弁済)は債権を満足させて全員の債務を消滅させ、相殺は439条1項、更改は438条、混同は440条がそれぞれ絶対効を定める。これら以外の事由は、他の連帯債務者に対して効力を生じない(民法441条本文=相対的効力の原則)。履行の「請求」は、履行(弁済)そのものとは違い、この4つに入らない相対的効力事由であるから、DがAに請求してもB・Cについて効力(時効の完成猶予や履行遅滞)は生じない。なお、債権者と他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示していたときは別である(同条ただし書)。
正しい。連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する(民法439条1項)。Aが200万円で相殺すれば、B・Cの連帯債務も200万円が消滅し、残債務は700万円となる。
誤り。時効の完成は相対的効力事由であり(民法441条)、Bのために時効が完成しても、A・CのDに対する連帯債務は消滅しない(900万円のまま)。A・Cが弁済した場合にBへ求償できるかは別問題である。
誤り。連帯債務者の一人が弁済をしたときは、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その負担部分に応じた額の求償権を有する(民法442条1項)。Cは100万円のうち、A・Bに対しそれぞれ3分の1に当たる約33万3,333円を求償できる。
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