問題
Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- Bが、本件代金債務につき受領権限のないCに対して弁済した場合、Cに受領権限がないことを知らないことにつきBに過失があれば、Cが受領した代金をAに引き渡したとしても、Bの弁済は有効にならない。
- Bが、Aの代理人と称するDに対して本件代金債務を弁済した場合、Dが受領権者としての外観を有する者に当たり、Dに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。
- Bが、Aの相続人と称するEに対して本件代金債務を弁済した場合、Eが受領権者としての外観を有する者に当たり、Eに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。
- Bは、本件代金債務の履行期が過ぎた場合であっても、特段の事情がない限り、甲建物の引渡しに係る履行の提供を受けていないことを理由として、Aに対して代金の支払を拒むことができる。
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正解は1番
改題民法改正(令和2年4月施行)に伴う改題。出題当時の『債権の準占有者』等の用語を、現行478条の『受領権者としての外観を有する者』に改めた。正解(肢1)は不変。
肢ごとの解説
×肢1
誤り。受領権者以外の者への弁済でも、債権者Aがこれによって利益を受けた限度では効力を有する(479条)。CがAに代金を引き渡してAが利益を受けた限度でBの弁済は有効となるため、「有効にならない」とする点が誤り。
根拠:民法479条
◯肢2
正しい。代理人と称するDは受領権者としての外観を有する者に当たり、Bが善意無過失であればその弁済は有効となる(478条)。
根拠:民法478条
◯肢3
正しい。相続人と称するEは受領権者としての外観を有する者に当たり、Bが善意無過失であればその弁済は有効となる(478条)。
根拠:民法478条
◯肢4
正しい。代金支払債務と建物引渡債務は同時履行の関係にあり、履行期が過ぎても、相手方から引渡しの履行の提供を受けていないことを理由に代金の支払を拒むことができる(533条)。
根拠:民法533条
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。