問題
履行遅滞に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 不法行為の加害者は、不法行為に基づく損害賠償債務について、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
- 善意の受益者は、その不当利得返還債務について、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
- 請負人の報酬債権に対して、注文者がこれと同時履行の関係にある目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、請負人に対する相殺後の報酬残債務について、当該残債務の履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
- 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った後に履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
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正解は2番
肢ごとの解説
×肢1
誤り。不法行為に基づく損害賠償債務は、催告(請求)を待たず、不法行為の時から当然に遅滞となる(判例)。『請求を受けた時から』が誤り。
根拠:民法412条3項判例
◯肢2
正しい(これが正解)。不当利得返還債務には期限の定めがないため、債務者は履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う(民法412条3項)。善意の受益者についても同様。
根拠:民法412条3項
×肢3
誤り。相殺は一方的な意思表示で効力を生じ、相殺適状の時にさかのぼって清算される(民法505条・506条)。その結果残る報酬残債務は相殺の意思表示をした日に確定するから、遅滞は『相殺の意思表示をした日の翌日』から発生する。請求を待つまでもないので、『履行の請求を受けた時から』とする点が誤り。
根拠:民法505条民法506条判例
×肢4
誤り。不確定期限の債務は、期限到来後に履行の請求を受けた時、又は期限到来を知った時のいずれか早い時から遅滞となる(民法412条2項)。『知った後に請求を受けた時』に限定する点が誤り。
根拠:民法412条2項
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。