甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース①」という。)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 賃貸借の存続期間を40年と定めた場合には、ケース①では書面で契約を締結しなければ期間が30年となってしまうのに対し、ケース②では口頭による合意であっても期間は40年となる。
- ケース①では、賃借人は、甲土地の上に登記されている建物を所有している場合には、甲土地が第三者に売却されても賃借人であることを当該第三者に対抗できるが、ケース②では、甲土地が第三者に売却された場合に賃借人であることを当該第三者に対抗する方法はない。
- 期間を定めない契約を締結した後に賃貸人が甲土地を使用する事情が生じた場合において、ケース①では賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しないのに対し、ケース②では賃貸人が解約の申入れをすれば契約は申入れの日から1年を経過することによって終了する。
- 賃貸借の期間を定めた場合であって当事者が期間内に解約する権利を留保していないとき、ケース①では賃借人側は期間内であっても1年前に予告することによって中途解約することができるのに対し、ケース②では賃貸人も賃借人もいつでも一方的に中途解約することができる。
正解と解説を見る
誤り。借地権(ケース①)の存続期間は30年以上であればよく、これより長い期間を定めることもできる。書面によらなくても40年と定めればその期間は有効であり、書面がなければ30年になるわけではない。またケース②(建物所有目的でない土地の賃貸借)は借地借家法の適用がなく民法によるが、賃貸借の存続期間の上限は50年である(民法604条。令和2年4月施行の改正で20年から50年に伸長)から、40年と定めれば有効に40年となる。もっともケース①についての記述が誤りであるため、本肢全体として誤りである。
誤り。ケース①(借地権)では、借地上に借地権者名義で登記された建物を所有していれば、借地権を第三者に対抗できる(借地借家法10条1項)。他方ケース②では借地借家法は適用されないが、賃借権の登記をすれば第三者に対抗でき(民法605条)、対抗する方法が全くないわけではない。したがって本肢は誤りである。
正しい。ケース①(借地権)では、期間の定めをしなかった場合でも存続期間は30年となり(借地借家法3条)、賃貸人が解約の申入れをしても、正当事由等がない限り契約は終了しない。これに対しケース②(民法上の土地の賃貸借)で期間の定めがない場合は、各当事者はいつでも解約の申入れができ、土地の賃貸借は解約申入れの日から1年を経過することによって終了する(民法617条1項1号)。
誤り。期間を定めた賃貸借において、当事者が期間内に解約する権利を留保していないときは、原則として中途解約はできない(民法618条参照)。ケース①・ケース②のいずれについても、解約権の留保がなければ一方的に中途解約することはできないから、本肢は誤りである。
この論点をくり返し解く「借地借家法(借地)」を含む権利関係の肢を、肢別ドリルで◯×形式で演習できます。年度をまたいで一気に鍛えられます。
肢別ドリルで解く →過去問がひと通り回ったら、本番と同じ2時間・50問を一度通しで解いておくと、当日の時間切れによる失点がはっきり減ります。
※ 楽天アフィリエイトによる広告(PR)です。価格・在庫は変動する場合があります。