AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- Aは、Bの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するには、Cに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。
- BがAに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、AはCに対して、賃料10万円をAに直接支払うよう請求することができる。
- AがBの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合、CのBに対する賃料の不払いがなくても、AはCに対して、甲建物の明渡しを求めることができる。
- AがBとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、Bとの合意解除に基づいて、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。
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誤り。判例は、賃貸人が賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除するには、賃借人に対して催告すれば足り、転借人に通知等をして賃料の代払いの機会を与える必要はないとしている(最判昭37.3.29)。AはCに催告する必要はない。
正しい。転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う(民法613条1項)。AがCに直接請求できるのは、賃料10万円と転借料15万円のうち低い方である10万円が限度となる。
正しい。賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除されると、転貸借は履行不能により終了する。この場合、賃貸人は転借人に対して明渡しを求めることができ、転借人自身に賃料の不払いがなくても同様である(判例)。
正しい。賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない(民法613条3項本文)。転借人に不測の損害を与えないためである。ただし、解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる(同項ただし書)。
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