甲建物を所有するAが死亡し、相続人がそれぞれAの子であるB及びCの2名である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- Bが甲建物を不法占拠するDに対し明渡しを求めたとしても、Bは単純承認をしたものとはみなされない。
- Cが甲建物の賃借人Eに対し相続財産である未払賃料の支払いを求め、これを収受領得したときは、Cは単純承認をしたものとみなされる。
- Cが単純承認をしたときは、Bは限定承認をすることができない。
- Bが自己のために相続の開始があったことを知らない場合であっても、相続の開始から3か月が経過したときは、Bは単純承認をしたものとみなされる。
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正しい。相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは単純承認をしたものとみなされるが、保存行為はこの限りでない(民法921条1号ただし書)。不法占拠者に対する明渡請求は相続財産を維持するための保存行為であるから、単純承認とはみなされない。
正しい。判例は、相続人が相続財産である未払賃料債権を取り立てて収受領得する行為は、相続財産の「処分」に当たるとしている。したがってCは単純承認をしたものとみなされる(民法921条1号)。
正しい。相続人が数人あるときは、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法923条)。Cが単純承認をした以上、Bだけが限定承認をすることはできない。
誤り。相続人は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に、相続について単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならず(民法915条1項)、この期間内に限定承認又は放棄をしなかったときに単純承認をしたものとみなされる(民法921条2号)。熟慮期間の起算点は相続の開始時ではなく知った時であるから、Bが相続の開始を知らないのであれば、開始から3か月が経過しても単純承認とはみなされない。
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