Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。
- Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。
- Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
- AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
- Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。
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正しい。借地権は、その土地の上に借地権者が「登記されている建物」を所有するときは第三者に対抗できる(借地借家法10条1項)。判例は、この登記は借地権者「自身の名義」であることを要し、子など他人名義の登記では対抗力が認められないとしている。AはDに借地権を対抗できない。
誤り。判例は、建物登記の所在地番等が実際と多少相違していても、建物の種類・構造・床面積等の記載と相まって、その登記の表示全体において、当該建物の同一性を認識し得る程度の軽微な相違であれば、借地権の対抗力は失われないとしている。「同一性が否定されるようなものでなくても対抗できない」とする点が誤り。
誤り。契約の更新がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めることができるのは、存続期間を「50年以上」として設定する一般定期借地権である(借地借家法22条)。本件は期間30年であるからこの要件を満たさず、公正証書で行っても更新がない旨等を有効に定めることはできない。
誤り。建物買取請求権は、借地権の存続期間が満了した場合において契約の更新がないときに認められるものである(借地借家法13条1項)。判例は、借地権者の債務不履行(地代不払い)を理由に契約が解除された場合には、建物買取請求権は認められないとしている。
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