AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円と定めて賃貸借契約を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。
- BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。
- 甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により本件契約が終了するときは、CはBに対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。
- 本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。
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正しい。期間の定めがある建物賃貸借について、当事者が期間満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。ただし、その期間は「定めがないもの」となる(借地借家法26条1項)。
誤り。財産上の給付(立退料)の申出は、正当事由の有無を判断するに当たって考慮される事情の一つ(補完的要素)にすぎない(借地借家法28条)。賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況・現況などと総合的に考慮されるのであって、一定額以上の給付を申し出れば正当事由が「あるとみなされる」わけではない。
正しい。造作買取請求権の規定は、建物の転借人と賃貸人との間について準用される(借地借家法33条2項)。転借人Cが賃貸人Bの同意を得て付加した造作については、期間満了により賃貸借が終了するとき、CはBに対して時価での買取りを請求することができる。
正しい。定期建物賃貸借において期間が1年以上である場合、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6か月前までの間に賃借人に対し期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない(借地借家法38条6項)。本件は期間3年であるから通知が必要である。
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