問題
AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- Aは、本件契約におけるAの債務を担保するために、Aが所有する不動産に対し、Bのために、抵当権を設定することはできるが、質権を設定することはできない。
- Aが本件契約に基づく債務の弁済を怠ったときに、BがAから預かっている動産を占有している場合には、Bは当該動産の返還時期が到来しても弁済を受けるまでその動産に関して留置権を行使することができる。
- Aが本件契約に基づく債務の弁済を怠った場合には、BはAの総財産に対して先取特権を行使することができる。
- Aが、期限が到来しているBの悪意による不法行為に基づく金1,000万円の損害賠償請求債権をBに対して有している場合、Aは本件契約に基づく返還債務をBに対する当該損害賠償請求債権で相殺することができる。
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正解は4番
肢ごとの解説
×肢1
誤り。不動産には抵当権だけでなく不動産質権も設定できる(民法356条以下)。「質権を設定できない」とする点が誤り。
根拠:民法356条
×肢2
誤り。留置権は『その物に関して生じた債権』を担保する(民法295条1項。牽連性が必要)。預かっている動産と1,000万円の貸金債権との間には牽連性がないため、当該動産について留置権は成立しない。
根拠:民法295条1項
×肢3
誤り。一般先取特権は共益費用・雇用関係・葬式費用・日用品供給に限り認められる(民法306条)。一般の貸金債権では総財産に対する一般先取特権は生じない。
根拠:民法306条
◯肢4
正しい。悪意の不法行為に基づく損害賠償債務の『債務者(加害者)』からの相殺は禁止されるが(民法509条)、ここでは被害者である債権者Aが、自らの損害賠償請求債権を自働債権として返還債務と相殺するもので、509条の禁止には当たらず相殺できる。
根拠:民法509条
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※解説は学習用です。法令・判例は改正等により変わることがあります。受験にあたっては最新の法令・公式情報をご確認ください。